東京五輪、変わるものと変わらないもの

東京五輪、変わるものと変わらないもの。歴史上、五輪が中止になったことはあるが、延期になったのは今回が初めて。世界の祭典である五輪の延期は今後どんな影響を及ぼすだろうか…

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発信時間:2020-03-26 17:02:16 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 国際オリンピック委員会(IOC)と東京2020組織委員会は東京時間24日夜、東京における第32回オリンピック競技大会の日程を、2020年以降だが2021年夏よりは遅くならない時点に変更する共同声明を発表した。これでようやく、新型コロナウイルスの感染が拡大する中、東京五輪は予定通り開催できるのかという議論にけりがついた。


 歴史上、五輪が中止になったことはあるが、延期になったのは今回が初めて。世界の祭典である五輪の延期は今後どんな影響を及ぼすだろうか。二千年以上の歴史がある五輪は時代が移り変わっても、平和の追求、交流の促進、スポーツの発展という精神的な中核、そして世界市民の五輪への思いは変わることなく受け継がれてきた。


変化する「バタフライ効果」


 新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が、東京五輪最大の不確定要素となり、五輪計画変更に関する議論に火をつけた。


 2月下旬、IOCのディック・パウンド委員は取材に対し、「感染が5月下旬までにコントロールされなければ、2020年東京五輪は延期や開催地変更ではなく、中止になる可能性がある」と述べた。日本政府は、これはIOCの公式な意見ではないと「火消し」に急いだが、IOC関係者の早い時期の発言として、五輪計画変更の兆しとなった。


 世界中で感染が深刻化する中、五輪延期を求める声が次々と聞かれるようになった。こうした中、東京五輪を予定通り開催するのは現実的に難しくなった。


 五輪の開催日程の変更はアスリートにとって影響が最も大きいのは言うまでもない。一年という時間が選手生命にとってどれほど貴重であるかについて、JOC(日本オリンピック委員会)の山下泰裕会長はこう語った。「延期の期間が長くなれば選手たちにとっては選考のやり直しなどが出てくるかもしれないし、この夏にピークを合わせてきた選手やこの大会が最後と考えている選手もいる。どんな期間になっても苦渋の決断になる」。


 観客、特に日本以外の観客にとっては、1年以上前から会場での観戦の計画を立てる人が多いだろう。JOCは2019年4月、インターネットで観戦チケットの抽選申込・購入手続きの方法を発表したが、申し込んでも目当ての試合に当選する確率はかなり低い。五輪開催日程の変更で多くの人がせっかくのチャンスを逃すことになるだろう。経済的損失はもとより、こうした観客の気持ちもおもんばかれる。


 五輪は4年周期で開催される。1年の延期で今回の周期は5年になり、次の周期は3年になる。次のパリ五輪の準備と開催、そして他の競技大会にどれだけ影響を及ぼすかについてまだ確かな答えは出ていない。


 延期による経済的負担もさらにかさむ。関西大学の宮本勝浩名誉教授の試算によると、1年の延期で会場や選手村などの関連施設の管理費が1年分増え、各関連団体が選考やり直しをするとなると、これらの経費は6408憶円(約58憶ドル)に上るという。


 米テレビ局NBCユニバーサルは東京五輪の放映権に14億ドルを支払った。2019年末には、2020年東京五輪の広告販売は10憶ドルを上回り、2016年リオ五輪の記録を塗り替え過去最高額になる見込みを発表した。延期が決まった今、各テレビ局は来年の放映計画を調整せざるを得なくなったが、大部分の広告会社は今年の広告費をすでに計画通り投入した。東京五輪の国内スポンサーは等級制で62社がスポンサー契約を結んだ。そのうち上国内最上位のゴールド パートナーは数億ドルの契約金を支払う予定だったが、これらの費用も新たな五輪計画に基づいて調整が必要になる。

 

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