日本の安倍晋三首相は24日夜、国際オリンピック委員会のバッハ会長と電話会談を行った。安倍氏はその後、バッハ氏との会談で、2021年夏までに東京五輪を開催することで合意したと述べた。これは現代五輪にとって史上初の、感染症を原因とする延期が本決まりになったことを意味する。
安倍氏の会談中の提案によると、東京五輪は1年延期となる。一連の手続きを踏まえ1年延期が最終決定すれば、開催時期を変更するだけという単純な問題ではなくなる。その後の国際大会の日程、各国の選手の準備、五輪出場資格にも深刻な影響が生じる。また五輪の舞台で華々しく引退を飾ろうとしていたベテラン選手がその願いを叶えられるかも不透明になる。
五輪と開催時期が重なる大会
新型コロナウイルスが世界的に流行するなか、東京五輪を予定通り開催できるかについては議論が重ねられてきた。日本メディアは以前、東京五輪組織委員会の高橋治之理事が、東京五輪の開催を2022年まで延期するよう提案したところ、複数の理事から賛同があったと伝えた。
この情報はネット上で物議を醸した。2022年には北京冬季五輪、カタールW杯があるからだ。世界的にトップの影響力を持つ大型大会を同年に開催すれば「混雑」が目立つ。
安倍氏の発言を見ると、世界の感染状況がまた抑制されていない状況下、東京五輪の年内開催の可能性は低いかもしれない。東京五輪の開催が、日本側が望む2021年まで本当に延期された場合、冬季五輪とW杯を回避できる。ところが実際には、2021年には多くの国際的な大型スポーツイベントが予定されている。
計画によると、多くの五輪種目の世界選手権が2021年に開催される。うち世界陸上世界選手権は8月に米ユージーンで、世界水泳選手権大会は7月に日本の福岡で開催される予定だ。これは延期を予定している五輪とぶつかる。
メディアの報道によると、世界陸連は以前、東京五輪が2021年夏に延期される場合、陸上世界選手権の日程を調整したいと表明した。国際水泳連盟は現時点で公式なコメントを発表していない。
FIFAクラブワールドカップは2021年6−7月に中国で開催される。多くの国際的なサッカー大会が開催を延期するなか、W杯も開催時期を変更する可能性がある。FIFAはW杯の開催時期を検討する際に、東京五輪の影響を検討することになるだろう。
2021年8月に成都市で開催予定のユニバーシアード、西安市で開催予定の第14回全国運動会も大きな影響を受ける可能性がある。
全体的に見ると、東京五輪が2021年まで延期されれば、来年の大会の日程には大幅な変動が生じる。五輪という最大のスポーツイベントと開催時期が重なることを願う大会はないからだ。