年には勝てない
各種目の選手にとって、五輪は高水準の大会だ。そのため多くのベテラン選手が五輪を選手生活最後の目標にする。「五輪まで頑張る」は彼らの心の拠り所だ。
しかし東京五輪が感染症により延期されれば、一部のベテラン選手の未来に影が差す。若い選手にとって1年は大したことではないかもしれないが、ベテランで満身創痍の選手にとっては特に長くなる。
中国人選手を例とすると、男子卓球金メダリストの馬龍は32歳、女子卓球世界チャンピオンの劉詩雯は29歳、競歩世界チャンピオンの劉虹は33歳、女子バレーセッターの丁霞は30歳、中国の「百メートル飛人」と呼ばれる陸上男子100メートルの蘇炳添は31歳、男子トランポリン金メダリストの董棟は31歳だ。
東京五輪はこれらのベテランにとって最後の五輪になる可能性が高い。2021年まで延期されれば、さらに歳を重ねた彼らが現在のコンディションを維持できるかは不明だ。
年齢はベテラン選手の悩みであるが、一部の若い選手の五輪出場のハードルになりうる。五輪の一部の種目は出場選手の年齢を制限している。例えば男子サッカーは23歳以下で、オーバーエイジは3人までだ。
一部の選手は2020年には規定に合致するが、2021年にはオーバーエイジになることがあるのではないか。これにより五輪出場を逃す選手も出るのではないか。
今年は年初から世界に多くの悲しい出来事があった。多くのネットユーザーが、2020年をなかったことにできないかとコメントしている。多くの選手は心中、このような考えを禁じ得ないかもしれない。
日本側が提案したように東京五輪が2021年夏まで1年延期された場合、新型コロナウイルスの影響を払拭できるが、これはただの始まりに過ぎない。この日より、新たな開催日の正式決定、準備と練習のやり直しなど、スポーツ界のすべての人に影響が及ぶ可能性がある。
しかし五輪精神は私たちに相互理解、長期友好、一致団結を教えてくれる。これは競技場だけではなく、このような時期に発揮されるべきだ。共に苦境を乗り越え積極的に感染対策を行う。困難を克服し初めて勝利を手にすることができるのだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年3月25日