出場準備のリズムが狂う
スポーツ業界には「五輪周期」という言葉がある。4年周期の練習及び予選の最終目標は、この周期の最後に位置する五輪への出場だ。ところが東京五輪が1年延期される可能性が極めて高く、現在の五輪周期が5年に延長されることになる。その次の周期は3年のみだ。
東京五輪周期のこの増えることになりそうな1年は、通常の1年の準備期間とは異なる。新型コロナウイルスは現在、世界的に蔓延しており、多くの選手が感染している。
例えば中国のフェンシング・エペ種目の3選手がPCR検査で陽性反応を示し、新型コロナウイルスの感染が確認された。NBAの感染者の中には、米国男子バスケットボールの有力選手も含まれる。
この状況下、準備にも必然的に影響が生じる。SNSを見ると、多くの選手が自宅待機を余儀なくされていることが分かる。
準備のリズムが乱れるほか、これまで世界の多くのスポーツイベントが中止になっており、いつ再開されるかも未知数だ。2021年の東京五輪までに、練習の成果を検証し相手を観察できる機会がどれほどあるかも現時点では不明だ。さらには、この1年で負傷や病気といったアクシデントも生じうる。
次のパリ五輪の周期は1年短縮される可能性が高い。この1年は選手の準備に影響を及ぼすだろうか、影響があるならばどの程度になるだろうか。これも現時点では不明だ。感染症による1年の延期は現代五輪史上初のことだからだ。
出場資格は?
新型コロナウイルスの影響を受け、過去数カ月に渡り東京五輪の多くの予選の開催が延期された。日本側の提案のように東京五輪の開催が1年延期されれば、これらの予選の日程調整に余裕が出てくる。当然ながらいつ開催されるか、すべて開催されるか、五輪出場資格をどのように決めるかは、検討すべき問題として残される。
北京時間17日、IOCは国際スポーツ連盟機構(GAISF)、各国(地域)の五輪委員会、選手代表ら利害関係者と電話会議を開いた。東京五輪の準備について議論し、特に予選及び出場資格の分配について重点的に検討した。
当初は東京五輪が予定通り開催されるとして準備作業が計画されていた。五輪は現在1年延期されることが濃厚になっており、予選に関するプランもこれに応じて調整されることになりそうだ。
しかし中国のスポーツに注目する人はそれほど懸念する必要はない。メディアの報道によると、中国五輪委員会報道官は17日、全体的に見ると今回の感染症は中国五輪代表団の五輪出場資格の獲得、及び全体的な実力に大きな影響を及ぼさないと表明した。
その他にも五輪の延期により、一部の代表団内の五輪出場資格の分配にも変化が生じうる。
例えば中国卓球代表は男子シングルスと女子シングルスの出場資格をめぐる争いが激しい。五輪イヤーの具体的な成績、主なライバルの状況を見て決まることになる。
選手は未来のコンディションを100%保証できない。五輪が2021年に延期されれば、中国卓球代表のシングルスでコンディションが最も良い選手は現在と同じだろうか。