ロイター通信が3月28日、日本の次世代戦闘機計画に詳しい関係者の話として伝えたところによると、日本は米ロッキード・マーティン社、ボーイング社、英BAEシステムズが提案した設計計画を蹴って新型ステルス戦闘機を独自で開発するという。
報道によると、今回の決定により、日本の次世代戦闘機の国内請負業者、三菱重工が総事業費400憶ドルの契約を獲得する上で優位になったという。同社はまだ次世代戦闘機の設計計画を出していないが、2016年にステルス戦闘機の技術実証機X-2「心神」を開発している。
「いまのところ日本のステルス設計はテストでいい結果を出している」と関係者は明かす。三菱重工の関係者は「政府がどんな政策をとろうが、三菱重工は政府と協力していく。我々は日本政府がこの事業の開発を主導したい気持ちが理解できる」と話した。
日本航空自衛隊は現在、ボーイング製のF-15戦闘機を約200機配備しているほか、数十年前に配備されたF-4の後継としてロッキード・マーティン主導で開発したF-35の導入を進めている。また次世代戦闘機F-3はF-2の後継として導入される。F-2は20年以上前に三菱重工とロッキード・マーティンがF-16をベースに開発した派生型機。
ある日本の防衛省官僚はロッキード・マーティン社、ボーイング社、英BAEシステムズの計画について、「我々の需要を満足できるものではなかった」とし、「機体の計画に関してはまだ決まっていない」と補足した。
関係者によると、機体の計画が確定後、日本政府はエンジンや操縦系統、センサー、その他部品の供給業者を選択するという。これらの部品が次世代戦闘機に最先端の性能を賦与することになる。国産機とはいえ、開発コストや時間を節約するため海外メーカーの手助けが必要になるだろう。ロッキード・マーティン、ボーイング、ノースロップ・グラマンといった米国企業が潜在的な共同開発のパートナーになる可能性が高い。
ロッキード・マーティンは電子メールで、「米国政府と日本政府はF-2の代替機種をめぐる問題について対話を重ねている。わが社も日本の工業界との綿密な話し合いを期待している」とした。同社が提案した新型戦闘機はF-22とF-35を融合したものだった。
ボーイングの関係者も「わが社は日本との協力に力を入れ、日本主導の次世代戦闘機の開発をサポートする」と語った。同社が日本に提案したのは「スーパーホーネット」をベースに設計した戦闘機。
ノースロップ・グラマンの関係者は「日本の防衛省や日本の工業界と現在密接な交流を重ねており、日本のF-X戦闘機計画を支援する」とした。同社は新型戦闘機の設計計画を提出していない。
日本は現在、より深い防衛パートナーを求めており、その中には英国も含まれる。英国も日本に好意を示しており、日本が英国の次世代戦闘機「テンペスト」のパートナーになることを望んでいる。同機の開発が成功すれば、2030年代に導入される見通しだ。「テンペスト」の開発を手掛けたBAEシステムズは、戦闘機「タイフーン」の設計をベースにした新型戦闘機の計画を日本に提案した。同社は「英国は引き続き日本側との交流を推し進め、両国が空中作戦の分野でどう協力していけるかより深く分析していく」としている。
日本の共同通信社が3月28日に報じたところによると、河野太郎防衛相は27日の記者会見で、航空自衛隊のF‐2後継機として開発する次期戦闘機の要求性能について、レーダーに探知されにくいステルス性能の高いもので、ミサイル搭載数を多くするなどの考えを示した。
河野防衛相は「(開発は)日本主導を前提とし、英国と米国を共同開発のパートナーとして検討している」とし、年末までに両国との協力の在り方を決定する方針を明らかにした。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年4月1日