新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、国際オリンピック委員会(IOC)は今年予定されていた東京五輪を来年に延期する決定を下した。現代五輪は誕生後、世界で最も影響力を持つスポーツの祭典の一つであり続けている。その124年の歴史において戦争により3回中止されているが、延期は前例がない。東京五輪の延期は開催国の日本に深い影響を及ぼし、世界のスポーツに一連の連鎖反応をもたらす。
新たな日程によると、2022年の北京冬季五輪は東京五輪から約半年後に開催される。冬季五輪は規模も影響力も夏季五輪に及ばず、全世界の観衆も夏季五輪と冬季五輪の2年置きの開催というペースに慣れている。東京五輪の延期は北京冬季五輪の注目度、視聴率、影響力などの引き下げる可能性があり、さらには準備作業に影響を及ぼす可能性もある。関係者はこれについて重視し、理性的な態度で見据える必要がある。
人類運命共同体の構築という見地から、東京五輪の延期の北京冬季五輪への影響を見なければならない。五輪の主旨は、差別なき五輪精神に合致するスポーツ大会により若者を教育し、平和でより美しい世界を作るため貢献することだ。東京五輪も北京冬季五輪もスポーツにより世界の平和と発展を促進し、国・民族・文化の異なる人々の相互理解を促進する。これは人類運命共同体を構築する重要な手段と実践だ。
人類運命共同体の構築という見地に立たなければならない。中日両国は一衣帯水の隣国で、北京冬季五輪と東京五輪もゼロサムの競争関係ではない。新たな情勢のもと、2つの五輪開催の契機を十分に活用し、中日友好関係の発展を推進するべきだ。双方は相手側の五輪の開催成功を相互サポートするべきだ。開放的で大らかな中国はより成熟した大国の心を持ち、中日両国の五輪開催準備に向けた協力を自発的に強化するべきだ。各自の準備作業の先進的な経験を共有し、各自の五輪特色を形成すると同時に、世界に向け東アジアの文明の魅力、人類の進歩への貢献を示すべきだ。
世界のスポーツガバナンスを牽引する見地に立たなければならない。国際機関は多国間外交の重要な場であり、グローバルガバナンスに不可欠な国際行動者でもある。今回の新型コロナウイルスの感染拡大において、一部の西側諸国と人物が中国を中傷しているが、世界保健機関(WHO)は終始中国の取り組みを高度に称賛し、積極的に評価している。これは中国が自身の積極的で前向きで責任感のある大国のイメージを守る上で有利だ。権威ある国際機関の肯定と評価は、西側の中傷に対する中国の最も力強い反論だ。特殊な時期において、世界的な危機と世界スポーツ事業の挑戦を迎えるなか、中国はIOCとの友好協力をさらに強化し、世界スポーツガバナンスで中心的な力を発揮するIOCを支持し、IOCと共に世界スポーツ事業の一時的な苦境を乗り切るべきだ。これは中国の北京冬季五輪の開催に向け有利な外部環境を構築する。
「鉄を鍛えるためには自分自身が硬い必要がある」内因は常に北京冬季五輪の成功を左右する最大の要素だ。我々の科学的な研究・判断及び積極的な対応により、悪影響を和らげ、さらには危機をチャンスに変えることができるはずだ。世界に素晴らしい、非凡な、卓越した冬季五輪を届けられるはずだ。(筆者・董川 中央党校国家行政学院国際戦略研究院研究員)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年4月11日