米CNN(電子版)は21日、「中日の島嶼をめぐる争いが、アジアの次の軍事衝突地点になる理由とは?」と題したトップ記事を掲載した。中国とインドの国境地帯における衝突に続き、中日の間で釣魚島により戦争が勃発する可能性をほのめかした。外交学院国際関係研究所の李海東教授は21日、環球時報のインタビューに応じた際に「CNNは中日の釣魚島をめぐる争いを極力誇張しているが、これは両国の対抗を煽り、中国の周辺情勢の安定を破壊するためだ。これは同時に米国の一部メディアがセンセーションを巻き起こすため何でもありになっていることを同時に反映している」と指摘した。
CNNは釣魚島を「爆発を待つ次の軍事火薬庫」と形容した。CNNは、中日の釣魚島をめぐる緊張情勢は「すでに長年続いており、日本と中国は両国政府が自国の固有の権利と見なす領土問題について譲歩する可能性が低い」と伝えた。米外交問題評議会は、日本は釣魚島付近に新たな軍事基地を設置したと指摘した。日本の海上保安庁の発表によると、中国公船は4月中旬以降に毎日釣魚島付近に現れ、21日まで69日連続で周辺海域に入っており、「衝突発生の懸念を激化させた」という。
CNNは報道の中で、中国とインドの国境地帯の衝突と異なり、中日が釣魚島の争いにより開戦した場合、中米間の軍事対立を引き起こす可能性があると分析した。これは米国が日本と「米日安保条約」を結んでおり、その中に「日本が管理する領土」が外国勢力の軍事攻撃を受けた場合、米国には協力する義務があるとの規定があるからだという。
またCNNによると、沖縄県石垣市議会は22日、釣魚島及びその付属島嶼の行政区画の名称を現行の「登野城」から「登野城尖閣」に変更する議案を可決した。日本側のこの動きについて、CNNは紛争を無視し「何の危険性もない」と称した。日本の沖縄タイムスは21日、石垣市議会の名称変更の動きは自民党内からは「大歓迎」されており、政府と県は静観しているが、「無用な波風を立てるべきではない」との声もあると伝えた。
CNNはシンガポールNSC Field Schoolの上席研究員が今月発表した文章を引用し、「釣魚島の衝突を起こしうる事態とは何か。南中国海、台湾、朝鮮の核問題といった地域のその他の危険地域と比べると、中日の釣魚島をめぐる争いには歴史・名誉・領土など数多くの要素が絡まり合っているため、独特かつ燃焼しやすい」と報じた。CNNはまた、米シンクタンク「アジア海洋透明性イニシアチブ」が想定した、事故を起こした船舶もしくは航空機の人員が釣魚島に上陸したケースを紹介した。「中国の漁船、海警船、もしくは軍事人員が釣魚島に上陸した場合、日本の海上保安庁が行動し駆逐することは間違いない。しかし中国が日本の主権に関する主張を認めていないことから、中国政府はこれを情勢のエスカレートと判断し、実質的な軍事報復に出る可能性がある」
李氏は21日、記者に「中日両国に領土問題が存在するが、双方は長年に渡り非常に自覚的に食い違いをコントロールしている。釣魚島問題については、米国が過度に煽り立てなければ、中国と日本はある程度は現状維持が可能と言える。これは両国が今後適切な時期に、紛争を建設的に解決するため機会をもたらした」と話した。
李氏はさらに「実際に中国と周辺諸国の紛争の裏側には常に、多かれ少なかれ米国の姿がある。そのためアジア諸国には自身の地域事務を処理する能力があることを強調すべきだ。米メディアは事を構える手段により、中国と周辺諸国の間に存在する領土紛争・問題を解読すべきではない」と指摘した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年6月23日