北東アジアの地域協力は近年、経済グローバル化の維持、協力の多元化と地域一体化のけん引の風向計になっている。感染症の前半戦に、北東アジア諸国では「山川異域、風月同天」という共に苦境を乗り越え、団結し感染症と戦う光景が展開された。感染症の中盤戦には世界的な感染拡大が続くにつれ、感染源などの問題をめぐり雑音が生じている。世界の効果的な感染対策のコストと難易度を上げ、北東アジアのゼロサム思考と地政学的リスクを刺激した。曙光が見えた中日韓自由貿易協力、熱心に取りざたされた北東アジア経済圏の構想などは再び、日韓の対立のエスカレート、日本的な日和見主義の台頭、中日韓の安保の認識のズレ、民間の好感度の低下といったネガティブな要素によりペースを落としている。これはまたコロナ後の北東アジア地域協力の調子が外れる懸念を引き起こしている。
最近の北東アジアの地政学及び安全情勢、地域内の食い違いの激増、産業及びサプライチェーンの障害、域外勢力の介入の拡大といった現実を見ると、上述した懸念には一定の根拠があるようだ。しかしコロナ後及び未来の北東アジア地域協力の自信、潜在力、基本的な構造を見据えると、この懸念は先の見通しがないようだ。
これは北東アジア地域協力の40年以上の歩みを見ると、曲折しながら前進が常態で、大同につき小異を残すが動的で、安定への願いが恒久だからだ。
払拭できない歴史の恨み、地域協力における乗り越えるべき現実的な食い違いがあっても、北東アジアの平和と発展のテーマは依然として鮮明だ。繁栄と豊かさを求める人々の願いは依然として強く、国民生活及び福祉の進歩を求める政府の初心に変化はない。当面の急務は、北東アジア諸国が勇気と知恵を出し、地域内の相互理解と共存発展の基盤を固め、地域内の問題をできる限り地域内の協議で解消する相手の立場になった考え方により、地域協力の得難い好転の流れを維持し、コロナ後に適応する協力の潜在力を深く掘り起こすことだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年7月14日