コロナ後の変化の流れを見据えると、複雑で変化が激しいという表象の裏側には常に新たなチャンスが潜んでいる。協力を貫きコロナ後の潜在的な変化に対応するため、北東アジアは少なくとも次の3つの面で新たな融合及び革新的発展の道を模索できる。
(一)新たな交流方法の変革により、世界の地域交流・協力の流行をけん引する。感染症はソーシャルディスタンス、在宅ワーク、リモートワーク、非接触型販売などの勤務及びライフスタイルの変化をもたらした。北東アジアの中日韓は新たなライフスタイルを提唱・けん引し、感染対策の常態化活動モデルを推進し、これを地域協力に融合させる試験者・成功者になった。また北東アジアがコロナ後の世界地域協力及び人文交流の流行をけん引するため新たな範を垂れた。
(二)特色あるデジタル経済により非接触型の新ビジネス・新モデルの発展を生む。コロナがもたらした別の趨勢的変化は、消費が人員密集型から非接触型のオンライン販売を始めとするデジタル経済に移行したことだ。中韓はコロナ禍のデジタルテクノロジーサービスをめぐる地域協力のリーダーになった。また北東アジアのIT普及の拡大、デジタル北東アジアの建設推進に新たな協力の活力と商機をもたらした。
(三)多元的なシェアリングエコノミーにより、北東アジア地域経済の大循環の形成を推進する。資源節約型の、環境に優しい低炭素社会の理念の構築が人々の間で根ざすにつれ、シェアリングエコノミーはコロナ後の北東アジア地域協力の新たな起爆剤、成長源になりうる。自転車、自動車、資金、スペースなどを含む地域内の既存のシェアリングモデルの他にも、在宅・リモートワークは越境人材共有の需要を急増させる。非接触型・オンライン授業の普及はシェア教育の国境を取り払う。娯楽及び観光のパーソナライズとニッチ化の流れは、国を跨ぐ時間の共有を可能にする。これらの多元的なシェアリングエコノミーは北東アジアの地域経済内循環の構築を推進し、人材育成、教育の平行移動、知識更新の面で地域全体の市民の素養を高める。北東アジアの新たな競争力、ソフトパワーの形成を促す。
一部の地域諸国は目下、外交と駆け引き、経済と安全、利益と訴求などを考慮し迷いを残している。利益のバランスを求めることは理解できるが、自国及び地域の人々の平和・発展・繁栄を求める大きな流れを見落としてはならない。北東アジアの地域協力の長期安定を推進するため、友好を拡大し溝を埋め、共に向き合い歩み寄り、心と力を一つにするため共に努力するべきだ。(筆者・笪志剛 黒竜江省社会科学院北東アジア研究所所長、研究員)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年7月14日