インド国防省は月曜日、豪海軍が今年ベンガル湾で行われる合同演習「マラバール」に参加すると発表した。米印日豪の4カ国が今回の演習で勢揃いし、広く「クアッド同盟」という概念の最新の進展と見なされている。「環球時報」が伝えた。
豪州が最後にマラバールに参加したのは2007年。インドは13年ぶりに豪州を招待したが、これは中国への見せつけで、けん制が目的だ。米国はクアッド同盟を堅固にし、これを中国を対象とする「アジア版NATO」の基礎にしようとしてきた。マラバール、今月東京で開かれる4カ国外相会談は、多くの憶測を呼んでいる。
4カ国枠組みは現在まだ初期段階にあり、形式に留まっている。いわゆるクアッド同盟とはメディアが用いている言葉だ。この4カ国の中国との地政学的関係及び食い違いは異なっており、4カ国枠組みへの需要も異なっている。4カ国が集まる機会が増えているが、アジア太平洋が4カ国が実質的な対中同盟になることを阻む要素は、これを促す要素よりはるかに多い。
なぜなら中国がこの地域に、戦略的な安全の脅威を作っていないからだ。インドと日本は中国と領土問題を抱えているだけで、これが生きるか死ぬかの戦略的な衝突に発展する可能性はほぼゼロだ。領土摩擦のコントロールは全体的に、彼らと中国に共通する理性だ。豪州はさらに中国と実際に安全面の衝突が生じていない。両国関係の緊張は完全に、豪州が米国に協力し中国に厄介事をこしらえているからだ。
この点を把握すれば、いわゆるクアッド同盟については、米国だけが全力でNATO化させようとしているが、その他の3カ国は積極的かつ複雑にそれを利用していることが分かる。3カ国は中国の台頭が不快で一種の「脅威」を感じているが、中国の台頭と現実的な利益関係を形成している。中国は日豪にとって最大の貿易相手国、インドにとって2位の貿易相手国だ。4カ国のつながりを強化することで彼らの存在感を増し、中国への圧力を形成し、対中関係においてより有利な位置を占めることができる。
クアッド同盟が想定している、戦略面で各方面から出撃する中国などは存在せず、ありもしない目標を設定している点が空虚だ。中国との関係において、米国と最も緊密な豪州は、その緊密により中国から譲歩を得ておらず、経済面で最も損をしている。
アジア版NATOの構想そのものがこの時代と相容れず、想定している中国は実際の中国から大きくかけ離れている。そのため米国が願う対中統一戦線の構築は大きな問題に直面する。印日豪でさえ、4カ国枠組みの公の定義と描写が米国と異なっている。ましてやこの地域には他にも国があり、その多くが米国と利用し合おうと思っていることから、非常に複雑な利益の駆け引きが生じている。
中国は警戒、達観、自信が必要だ。我々は地域全体の積極的で前向きな勢力であり、大きな実力を持ち、人に対しても友好的だ。我々は世界を敵としておらず、中国周辺の力を総動員し我々に対処しようとすることはできない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年10月21日