「インドと他国が行う海上演習の多くが相互信頼を深める基礎的な演習であるが、マラバールは真の戦争の演習だ」3日付インド紙「インディアン・エクスプレス」は同日開幕した米日印豪による海上合同演習「マラバール」の重要性を特に強調した。また、「アジア版NATO」と呼ばれる米日印豪の「クアッド同盟」という連携強化の構想が十数年前に打ち出されてから、4カ国が同時に演習に軍艦を派遣するのは今回が初めてであり、「中国に明確な情報を伝える」とされている。
米海軍第15駆逐隊のスティーブン・デ・モス司令官は「インド、日本、豪州は我々のインド太平洋全体における戦略的協力パートナーの軸だ。我々の軍艦はマラバールのような高い技能が必要とされる合同演習に適している。これは我々の総合作戦能力をさらに強化し、パートナーシップを促進する」と述べた。
「インディアン・エクスプレス」は、今年のマラバールには重大な意義があるとし、次のように伝えた。この軍事演習は1992年から現在まで続くが、当初の参加国はインドと米国のみだった。豪州は2007年に参加したが、「中国の強い反発」を受けると参加を停止した。日本は2015年に同演習の「永久メンバー」になった。演習の内容も当初の海上捜索・救助、対テロ作戦からより実戦に即した対潜水艦や防空などに広がった。米印日は2017年に同時に空母を演習に派遣した。インドは今年に入り、米国、日本、豪州のシーパワーと何度も演習を行っているが、その多くが相互信頼を深める「交流演習」だった。実戦を想定する今回のマラバールでは、2007年に米日印豪の「クアッド同盟」という連携強化の構想が打ち出されてから、初めて4カ国の海軍が同時参加することになる。元インド海軍少将は「インドと中国の国境地帯での対立が続くなか、インド太平洋に4カ国の海軍が勢揃いすることで、中国に明確な情報を伝える。マラバールは4カ国海軍を集め、十数年前と異なる意義を持っている。これは中国の拡張主義への抑止力を強化し、4カ国間の軍事協力もより緊密になる」と述べた。
専門家は、マラバールによる米日印豪の軍事協力強化は、インド太平洋の平和情勢に必然的に影響を及ぼすが、4カ国には各自の計算があり実際に目的を一つにすることは困難と見ている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年11月4日