全日空の親会社であるANAホールディングスは、国際線・国内線の需要が同時に急減したことから、今年度に過去最大となる5100億円の赤字を計上する見込みと発表した。これは世界金融危機終了後の2009年度の573億円の約9倍となる数値だ。
日本航空(JAL)は今年度の赤字を2400−2700億円と見込んでいる。これは日本航空が2010年に破産申告し、2012年に経営再建し再上場した後で初の赤字となる。
航空業の需要が激減するなか、2大航空会社は危機を乗り切るため、コスト削減と経営維持の方法を必死に模索している。
全日空は一般従業員1万5000人の減給を予定しており、冬のボーナスをカットする。これまでの減給と夏のボーナス半減などの措置を含めると、全日空の従業員の今年度の年収は平均で約3割減となる。
全日空はコスト削減による生き残りを決定し、路線拡大計画にストップをかけ、今年度内に35機を予定より早めに退役させる。大型機は燃料消費が激しく、メンテナンスコストがかさむため、削減対象は長距離飛行国際線の大型機に絞られている。全日空は賃貸を含め大型機を59機保有している。
日本航空も積極的に新たな成長源を模索している。日本航空は9月下旬、米ドローン企業Matternet社と業務提携を締結し、日本でドローン物流事業を展開するため市場調査を行うと発表した。双方で事業発展計画を策定し、ドローンを利用した医療物資輸送事業を開拓する予定。
「日本経済新聞」は社説で、「島国の日本にとって航空業が重要であることは言うまでもない。2大航空会社がコロナ後になんとか生き残ったとしても、債務に苦しめられれば新たな投資・発展も停滞し、ゾンビ化する恐れがある。日本の活力を維持するため、航空業の需要に一定の回復が見られ、収支バランスに期待できる時期を見計らい、政府は航空業への援助を検討すべきだ」と論じた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2020年11月13日