間もなく終了する今年、感染症が世界で猛威を振るった。日本経済は未曾有の後退に陥り、経済成長率の下げ幅で米国を上回った。来年を展望すると、日本経済は緩やかな回復を続ける見通しだが、感染症前の水準に戻るのは難しそうだ。
日本経済の今年第1四半期の経済成長率は年率でマイナス2.1%、第2四半期はマイナス29.2%で、統計開始以来で最大の下げ幅となった。第3四半期は実質22.9%という記録的な上げ幅となったが、今後の経済回復は比較的緩慢になる見通しだ。
実際に感染症が発生する前から日本経済は下り坂に入っていた。日本経済は今年第2四半期まで3四半期連続で後退していた。消費増税などの影響を受け、内需低迷が昨年第4四半期より、経済を疲弊させる主な足かせとなっている。
第3四半期の記録的な経済回復において、個人消費は前四半期比で5.1%増加したが、前四半期の8.1%減と比べると回復が大幅に不足している。また内需のもう一つの支柱である設備投資が減少を続けた。業績悪化、経済の先行き不透明を理由に、企業が投資に消極的な姿勢を続け、設備投資が前四半期比で2.4%減となった。住宅投資は前四半期比で5.8%減。
外需の経済成長に対する寄与度は、第3四半期に内需を上回った。自動車などの製造業の顕著な回復により、輸出は前四半期比で大幅に増加したが、輸入の下げ幅の方が大きく、外需拡大の重要な原因になった。11月まで日本の輸出は前年同月比で24カ月連続で減少している。輸入の下げ幅がより大きいことから純輸出高が増え、外需の経済成長への寄与度が内需を上回る現象が生じている。これは成長の原動力不足という、日本の潜在的な問題を覆い隠している。
経済学者は、日本経済が第3四半期に回復したのは政府による景気刺激策の効果であるが、他にもこれまで抑え込まれていた需要が引き出され、急落後の穴埋めが生じたためであるとした。ところがこの2つの刺激要素を長期的に維持するのは困難だという。