この学者の観点は事実上、米国のエスタブリッシュメントの戦略的な考えに合致する。ナイ氏は昔から「米国が放置され、日中が東アジアを主導する。これは米国にとっては想像できないことだ」と述べていた。これはアーミテージ氏の報告書が何度も更新されているが、「中国脅威論」と日米同盟の強化を常にテーマとしている根本的な理由だ。ナイ氏は老練な戦略家であり、日米同盟の存在に根拠を見いだす。台頭する中国の包囲では、トランプ氏のチームよりも賢明だ。ナイ氏は、米国の同盟国である日本と中国が和解かつ協力すれば、米国を中心とするアジア太平洋の秩序、さらには世界の秩序が大きな挑戦に直面すると考えている。そのためナイ氏は冷戦がすでに終了しているが、中日間で厄介事を起こし両国の歩み寄りを防ぐことが、米国にとって最高の戦略であると考えている。
戦後日本は米国の影響を受け、多くの米国式の発想を持つ学者を育んだ。彼らは何かにつけて米国を口にし、日米同盟を基準として掲げ、何事も米国の基準に従う。戦略的思考は依然として冷戦段階に留まっているが、中国の制度と発展には傲慢と偏見に満ちている。つまり自分の頭で考えることができない。日本の鳩山由紀夫元首相は以前、「日本は独立国になる気概を持つべきだ」と述べたが、失望を余儀なくされた。「私と小沢(一郎)氏は政治とカネの問題、領土問題、消費税問題、TPP問題、原発問題、オスプレイ問題、基地問題について言及したが、これらすべての問題の裏には常に米国の影がある。私は日本が真の独立国であるかを疑問視している。私は現在、(内閣)総理大臣を経験した者としてはっきり言えるが、日本は完全な独立国などではまったくない」
対等はまず独立が必要だ。日本が対等と独立の夢を叶えるためには、協力とウィンウィンの姿勢により、インド太平洋地域で建設的な力を発揮するべきだ。徒党を組み、食い違いやいざこざを引き起こすべきではない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年1月22日