印米日豪の4カ国はかつて津波の被災者を共同で支援したことがある。この4カ国は今や再び手を結び、中国が超大国として着実に台頭し、アジア太平洋に試練をもたらすという別の津波に対応しようとしている。4カ国首脳が出席した12日の戦略対話(クアッド)には初めて緊張感が漂い、この集団により実質的な内容を持たせようとしたようだ。新型コロナウイルスワクチンの共同生産、5G開発、その他の最新技術の決定は、4カ国が政治以外の分野の行動を試みることを示した。これらの分野で中国と対抗することも極めて重要だ。インドのウェブサイトが伝えた。
4カ国のいずれも中国に恨みを持っている。インドと中国の間には国境をめぐる問題があり、豪州と中国の関係は悪化しており、日本と中国の間には島をめぐる争いがある。バイデン米大統領は珍しく前大統領のやり方にならい、クアッドへの参与をさらに深めた。その理由は明らかで、米国は中国を政治と経済の脅威としている。そのため4カ国は現在、興味深い岐路に立たされている。
大多数の状況下、各種国家集団が長期的に大きな進展を手にしていない場合、それは集団内の各国の間にさまざまな係争が存在し、より大きな目標の達成を妨げるからだ。ここで過去を振り返ってみよう。クアッドは2004年の津波発生後に非公式に打ち出されたもので、4カ国の海軍が協力しインド洋地域の数千人の被災者に支援を提供した。3年後に安倍氏がクアッドを再始動させ、係争中の島の問題をめぐる中国からの日増しに強まる圧力に対処しようとした。しかし1回の合同軍事演習と1回の対話の後、クアッドは再び休眠状態に入った。2017年になり米中の緊張が激化すると、トランプ氏が再びこれを取り上げるようになった。
4カ国には、中国との二国間関係という「アキレス腱」がある。例えば2008年に豪州は中国との二国間関係を改善するため、クアッドから一時的に離脱した。インドはクアッドの中で慎重に行動し、国境をめぐる問題で中国を侵略者と呼ばず、平和を基調とする一般的な表現を用いようとした。また各国に対して世界が公認するルールに従い行動するよう求めた。
「プリンが美味しいかどうかは食べてみなければ分からない」ということわざがある。クアッドの成否は、生じうるすべての中国問題への影響に迅速に対応できるかによって決まる。ポーズを示すという点については、このような首脳会談がシグナルを発することは重要だが、実際に行動すべき時にポーズはそれほど重要ではなくなる。クアッドが最終的にどの程度の効果を発揮するかは、現時点ではなんとも言い難い状況だ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年3月15日