日本人の五輪に対する態度の変化とグローバル化再構築

日本人の五輪に対する態度の変化とグローバル化再構築。感染症の世界の民衆の心情への影響を考えると、日本は現実的な例である。日本人のこのような集団的な拒絶姿勢は十分に理解でき、過剰に分析または感情的に反応すべきではない…

タグ:五輪 観客 調査 資本 ビジネス

発信時間:2021-03-17 08:35:00 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 開催が近づくにつれて、日本人のオリンピックに対する態度が徐々にはっきりしている。日本の『読売新聞』が先日実施した世論調査では、77%が「外国観客の観戦許可に反対する」と回答した。記事によると、同調査は電話で実施し、有効回答数は1066人と多くないが、多くの日本人が五輪を楽しむより命の安全を優先的に考えていることがわかる。日本政府はすでに、オリンピックとパラリンピックの海外からの一般観客の観戦を拒否する方針を決めている。(文:中国社会科学院研究員 呉波)

 

 感染症の世界の民衆の心情への影響を考えると、日本は現実的な例である。新型コロナウイルス感染症が世界でまだ収束しない中、このような態度は理性的というより本能的な反応であり、コロナによる焦りと不安が続く中での考えと言える。率直に言えば、新型コロナの脅威に直面し、別の国でこの質問をしても反対の声はある。日本人のこのような集団的な拒絶姿勢は十分に理解でき、過剰に分析または感情的に反応すべきではない。


 新型コロナによる影響に対し、日本政府と国民は1年以上努力してきたが、政府の防疫における実績に国民は満足していない。外国人の入国の厳格な規制は過去一定期間、各国がとる重要な防疫手段だった。これは、コロナは五輪の開催時期を変えただけでなく、観戦方法も変える可能性があることを意味する。五輪はかつてイデオロギーや戦争などにより重大な変化が生じたこともあったが、今年の東京五輪は新型コロナにより特殊な形態となる可能性があり、五輪史上の重要な1ページになる。


 中国には古くから「天に不測の風雲あり」という言葉がある。グローバル化時代、世界的な問題が増えるにつれて、このような不確定性は急発展の状態にあり、人類に未曾有のリスク意識を与えている。コロナ収束後、経済グローバル化は終わらず、民族や国家の境界意識が高まる中で引き続き深まるが、歴史の歩みの再構築が始まることが予想される。この過程は、グローバル化の枠組みの一部内容だけでなく、世界に人々の安全とリスクに関する概念と行動方式にも変化をもたらす。新型コロナという世界的な問題により、これまでのルールと習慣を安全要素と関連づけて調整することになり、安全優先は個人においても国家においても普遍的な共通認識になる。


 安全問題がこれほど高い地位に引き上げられたのは、資本のせいだと言える。五輪のビジネス化の度合いが高まり、資本が五輪の全ての部分に浸透し、的確にやりくりされるようになった。世界の人々が楽しむ中、資本は冷静に動いている。東京五輪の具体的な開催方法は、国際ビジネス巨頭とメディア巨頭が気にしている重大問題である。現地の観客の入場が制限されれば、会場の熱気だけでなく、資本の利益余地も減り、テレビなどのメディア経由で観戦する観客の数と構成は、別の側面から利益の資本巨頭間の分配状況を映し出す。この点から言えば、日本人の拒絶は資本の拒絶を意味するのかもしれない。


 日本人の五輪開催方法に対する考えは、経済グローバル化の今後の方向を観察する窓口であると同時に、五輪精神を考え直すきっかけにもなる。これは『読売新聞』の世論調査から派生した価値である。オリンピック主義の目標はスポーツが人類の調和発展に貢献し、人類の尊厳を守る平和な社会を促進することだが、安全を前提にしなければ、スポーツで人類の調和発展に貢献することはできない。五輪の尊重と展示が人の力量の自然な表現である以上、新型コロナ流行期間とコロナ後の五輪精神の順守は、グローバル化再構築の具体的な表れになるかもしれない。


 「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年3月17日

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