軍事安全の縛りの強化、北東アジアにとって有害無益

軍事安全の縛りの強化、北東アジアにとって有害無益。

タグ:2プラス2 米日 米韓

発信時間:2021-03-22 15:09:26 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 米日と米韓は先ほど「2プラス2」会談を開き、一連のハイレベル交流を行った。その結果を見ると、バイデン政権高官の初の外遊で、米国は日韓の舞台を利用し中国に圧力をかける政治ショーを演じたが、米日韓の二国間及び3カ国間の関係については中身が少なかった。米国が意図する米日韓同盟の強化は今後、どの程度に達するのだろうか。

 

 今回の米日・米韓の交流は次の3つの情報を発した。

 

 (一)米国が東アジア回帰を大々的にアピールし、米日韓同盟がやや回復した。米日・米韓同盟は米国のアジア太平洋戦略の重要な支柱だ。ところがトランプ政権の「米国ファースト」の原因で、同盟国への求心力が失われた。バイデン氏は就任後、同盟関係は「取引」ではないと表明し、同盟国をなだめようとした。米日・米韓が合意した防衛費分担金は従来の水準をほぼ維持し、日韓を安心させた。これはある程度、日韓両国の米国への信頼を強めた。

 

 (二)米国が取り組む中国けん制路線について、日韓が温度差を示した。米国側は「中国の脅威」の喧伝に全力を尽くし、香港地区関連や新疆ウイグル自治区関連など中国の内政問題について勝手に攻撃・中傷している。米国側の赤裸々な抱き込みに対して、日韓は違った反応を示してる。これは米日と米韓の2プラス2会談後の文書に非常にはっきり示されている。この差は日韓の対中政策の方針の差を反映している。韓国の文在寅政権の主な関心事は朝鮮半島問題で、「戦略的な曖昧さ」により中国と米国の間でバランスを保とうとしている。現在の菅義偉内閣は感染症の衝撃と政治のスキャンダルに苦しめられており、「中国の脅威」を喧伝することで国内の視線をそらし、政権運営の圧力を和らげようとしているという見方も多い。

 

 (三)同盟内部に本来存在する食い違いが解消されず、米日韓の「鉄のトライアングル」の実現が困難だ。長期的に米日韓の3カ国関係の発展は不均衡で、歴史や領土などの問題による制限を受け、日韓関係の緊張が続いている。これにより米日韓関係は米国が期待する「鉄のトライアングル」からは程遠くなっている。バイデン政権が北東アジアの同盟国を抱き込むためには、まず日韓関係を改善し、3カ国の軍事安全協調・協力枠組みを再構築しなければならない。米国側は今回、対立する日韓の仲介を果たす姿勢を示さず、米日韓の協力について議論したと発表するに留めた。どうやら米国は日韓の難題の解消を願っていてもその手段がないようで、日韓関係の改善は二国間ルートしか残されていない。また日本側が関心を寄せる在日米軍の再編、韓国側が関心を寄せる戦時作戦統制権の移行の問題に進展がなく、将来的に米日・米韓の食い違いが時おり顕在化することになりそうだ。

 

 米国側が北東アジアを対中競争・けん制の前線にしようとしていることは明らかだ。現在の東アジアの地政学的構造には深い変化が生じており、米国は西太平洋の勢力図の変化に焦っている。米国が標榜する「民主的な価値観の結びつき」と「地域の平和・繁栄の維持」という看板の裏で、米日韓同盟の実質的な機能は米国の対中競争及び朝鮮への圧力の需要に貢献・追従することになる。

 

 しかし北東アジアは中日韓が共に身を寄せる場所だ。米日韓同盟がこの地域に対してどのような力を発揮すべきかについて、日韓両国は深く熟慮するべきだ。中日韓を中心とする北東アジアはすでに北米及びユーロ圏と肩を並べる世界3大経済センターの一つになっており、3カ国の経済面の利益の交わりと相互依存がかつてない程度に達している。同時に歴史問題と複雑な大国の駆け引きにより、北東アジアの食い違いとリスクが多発し、安全問題と地政学的駆け引きがいっそう際立っている。北東アジアの構造におけるこのねじれ現象は、中日韓などの地域諸国の共通の利益に合致しない。北東アジアの一員として、日韓は地域の緊張や対立をエスカレートさせるのではなく、地域の平和・和解・協力を促進するため積極的な力を発揮すべきだ。(筆者・項昊宇 中国国際問題研究院アジア太平洋研究所客員研究員)


  「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年3月22日


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