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japanese.china.org.cn |19. 03. 2021

「専門家がズバリ59」米国追従して中国けん制 中日関係に暗い影

タグ: 日米同盟 共同声明 クアッド

    米日印豪は12日、初めてテレビ会議形式により首脳会談を開きました。これはインド太平洋戦略をめぐる4カ国対話枠組み(クアッド) の格上げを意味します。米日の外交・防衛トップは16日に東京で「2プラス2」会談を開き、日米同盟関係の強化を宣言しました。日本の菅義偉首相は4月上旬に訪米し、バイデン大統領と初の会談に臨む予定です。中米の駆け引きが続くなか、日本は米国及びインド太平洋の「友好国」との戦略的連携を優先的に強化し、米国に積極的に呼応し中国けん制の「統一戦線」の構築に自発的に参加しています。これが地域の安定と中日関係に悪影響を及ぼすことは間違いありません。


 今回の米日印豪の首脳会談、米日の2プラス2の会談の内容はいずれも、中国に対する競争的、さらには対抗的な考えを明確に示しました。米日印豪の首脳はいわゆる「中国からの大きな脅威」について集中的に議論し、これを表明しました。4カ国の態度には温度差がありますが、日本はクアッドが中長期的に中国をけん制する戦略的枠組みになることへの期待感を明らかにしています。米日の2プラス2会談の共同声明は、中国へのかつてない強硬姿勢を示しました。米日は、中国の行為は「既存の国際秩序に合致しない」と称し、中国側の釣魚島における合法的な権益保護及び海警法の施行を「破壊」と批判し、中国側によるいわゆる「海洋権益関連の違法な主張と活動」に共同で干渉・阻止すると表明しました。また台湾地区、香港地区、新疆ウイグル自治区などの関連問題で中国側の政策を悪意をもって攻撃しました。これは中日関係の安定的な発展に大きな影を落としました。


 日本の上述した会談における意思表示と行動は、中日関係の政治的相互信頼の基礎に衝撃を及ぼしました。特に中日首脳が形成していた「互いに協力パートナーとなり、互いに脅威とならない」という政治的共通認識に公然と背きました。菅政権は発足後、「対中協調」の立場を示してきましたが、実質的には徐々に中国との競争及びけん制を格上げ、エスカレートし、戦術的に「日中協調」から「日米による中国けん制」に戻りました。日本の中米間における立ち位置の再調整が、中国との戦略的競争を展開する米国からの働きかけ、さらには脅迫を受けたことは明白であり、また日本自身の中国への危機感、警戒心、さらには対抗意識の持続的な高まりによるものでもあります。バイデン政権は発足後、「同盟優先」を強調し、引き続き中国を「最大の戦略的ライバル」と位置づけています。これは日本側、特に国内の対中強硬派に「戦略的錯覚」と「有利な心理」を生じさせました。現在は米日同盟の強化を効果的に利用し中国をけん制するチャンスということです。しかし米国がアジア太平洋の同盟国を道具として利用し、中国の戦略的空間を狭めようとするのは完全に自国の私利のためであり、同盟国の利益を顧みないことは明らかです。しかもこのやり方には広範な支持、持続可能性が備わっていません。日本の外交にとって、理性、バランス、協力こそが生存の道です。


 中日関係の安定が双方の利益に合致し、地域のその他の国、特に地域の安全・相互信頼の構築及び共同発展に資することは、歴史によって絶えず証明されています。2017年以降の中日関係の回復、蓄積された協力の成果の放棄と蹂躙は許されません。これは中日両国の識者の基本的な共通認識でもあります。中国は日本が米国を含む各国と戦略的協力を強化することに反対しませんが、地域安定と各国の団結に資すること、第3国を念頭に置かず第3国の利益を損ねないことを前提とすべきです。新型コロナウイルスの感染が続き、国際社会が団結と協力を呼びかけるなか、日本政府は冷戦思考を捨て、狭い視野を広げ、より高度な戦略から自国の「外交の主体性」を位置づけ、実行に移すべきです。中国側と再び手を結び、安定的に発展する中日関係、より光あふれる地域協力の未来の構築に向けしっかり取り組むべきです。(筆者・盧昊中国社会科学院日本研究所、総合戦略研究室副主任、副研究員)

 

 

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