日本政府による福島第一原発の放射性物質を含む汚染水を海洋放出する決定は、持続的に広く疑問視されている。
外交部の趙立堅報道官は、国際環境NGOグリーンピースによる日本側の行動の危険性に関する分析を何度も引用している。グリーンピースの東アジア事業を担当する英国の核問題専門家のショーン・バーニー氏はこのほど、新華社の独占インタビューに応じた。日本の海洋放出の決定は「受け入れられない」と述べ、日本による3つの嘘を否定した。また日本政府にこの無責任な決定を撤回するよう呼びかけ、国際社会に法的手段により阻止するよう呼びかけた。
嘘その一 汚染水のろ過・希釈後の海洋放出は安全
バーニー氏は「汚染水の海洋放出は安全という説は、科学的に根拠がない」と述べ、次の例を挙げた。
日本政府はトリチウムのみを取り上げたいようだが、水からトリチウムを除去するのが困難なほか、福島原発の汚染水には東京電力の現在の技術ではろ過できない、その他の多くの放射性物質が含まれる。例えば半減期が5000年以上の炭素14などだ。
東電が昨年12月に発表した資料によると、福島原発の汚染水は2回の処理後も、トリチウムの他にヨウ素129、セシウム135、炭素14など12の核種を含み、その多くが半減期が非常に長い。
嘘その二 汚染水を飲んでもなんてことはない
ボーニー氏は、汚染水を絶対に飲んではならず、「飲んでもいい」などと冗談を言うべきではないと断言し、次の例を挙げた。
これらのストロンチウムを含む水を飲みたいと思う人はいない。ストロンチウムは放射性同位元素を魚や人の骨の中に凝縮させ、白血病などの血液疾患にかかるリスクを増やす。
バーニー氏は「日本が最終的に百万トン以上の汚染水の処理に成功したとしても、ストロンチウムやヨウ素129などの放射性物質の濃度は依然として非常に高い」と述べた。
嘘その三 決定は汚染水の保管スペースがないため
日本側が海洋放出について挙げた大きな理由は、汚染水の保管スペースが2022年で足りなくなるからだ。
バーニー氏は「2022年という最後の期限は間違いで、完全に嘘だ。日本政府は自国の利益のためそう発言し、口実を作っている。彼らにスペースが残されていることは明らかだ」と述べた。
「実際には他にも実行可能なプランがあり、環境と健康を損ねるリスクを最低限にできる。日本政府も昨年の調査報告書の中で、原発周辺には引き続き汚染水を保管できる十分な土地とスペースがあると認めている」
「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年4月26日