日本の外交は現在、中国けん制の道を歩み続けている。台湾地区は日本の右翼勢力の「切り札」になりつつあるようだ。
この数カ月に渡る日本側の台湾地区関連措置は主に下記の通り。日米共同声明の中で台湾海峡情勢に注目すると明記したが、これは実際には米国と協力し台湾地区を防衛するという意志を示した。台湾地区で感染状況が悪化するなか、日本の茂木敏充外相は6月4日の記者会見で正式に、台湾地区に新型コロナウイルスワクチンを124万回分提供すると発表し、同日中に航空機で台湾に輸送した。日本と豪州の外務・防衛閣僚会合(2プラス2)において、双方は台湾海峡問題に懸念を表した。これら日本の台湾地区問題に関する一連の驚くばかりの措置には、国際的な(特に米国からの)要素の影響があり、深い国内の原因もある。
菅義偉氏は首相当選当初、世論調査の支持率が74%にのぼり、歴代日本政府の中で3番目の高い数値を記録した。この重要な理由は、菅氏が安倍氏の重要な参謀であり、内閣官房長官時代に安倍氏に何度も協力し国内の危機をコントロールしたことだ。国民は菅政権に期待を抱いた。
しかし2020年以降、日本国内で新型コロナウイルスの感染が再拡大したことを受け、国民は菅政権の感染対策への指導力を疑問視し始め、大きな不満を持った。日本人の間では現在、東京五輪中止を求める声が非常に強いが、菅政権は五輪開催の姿勢を崩していない。菅氏の支持率は昨年9月より徐々に低下している。最近の世論調査の結果によると、菅内閣の支持率は40%のみで、自民党の支持率もやっと40%に届いた程度だ。菅氏の再任は難しい。
これまで日本の与野党及び国民は、菅氏を安倍路線の忠実な継承者と見ていたが、小泉純一郎氏や安倍晋三氏のような力強いリーダーにはなれないとも見ていた。最近の世論調査によると、「安倍内閣を支持する理由」のうち、「グローバルな観念を持つ」は20%以上だが、菅内閣は7%のみだ。これは国民が菅政権のグローバルな交流の能力と影響力を認めていないことを意味する。
菅氏が台湾地区問題の複雑性と敏感性を知らないはずがないが、この問題をめぐり何度も驚きの措置を講じ、中国の我慢の限界に探りを入れている。これは単なる政治の賭けではない。国内の首相再任、両岸関係及び中日関係の未来を賭けている。