日本が五輪開催と感染対策に取り組むなか、一部の国会議員は米国の一部の国会議員とぐるになり、台湾地区の「議員」を引き込みいわゆる「第1回台米日議員戦略フォーラム」という茶番を演じたが、これは実に流れに逆らった行動だ。米上院外交委員会アジア太平洋小委員会委員長のマーキー氏、「台湾立法部門」主管の游錫堃氏らといった出席者と比べると、日本の前首相である安倍晋三氏が自ら登場したことで、日本はこの茶番でひときわ目を引いた。
安倍氏の首相在任中の行為についてはすでに公論がある。ただし安倍氏は中日関係改善を常に重要な外交の課題としていたため、台湾問題をめぐっては「日本交流協会」を「日本台湾交流協会」に改名するといった小さな動きの方が多かった。しかし安倍氏は台湾問題についてまったく計算がなかったわけではない。首相在任中、安倍氏は弟の岸信夫氏を台湾問題に当たらせた。そのため自民党が近年、台湾地区と協力し演じたさまざまな芝居のほぼすべてに、岸氏の姿が見られる。今回は首相というポストのしがらみがなく、安倍氏が表舞台に立った。
これは日本の政界における個別のケースではない。「親台派」は自民党内の伝統的な勢力だ。これらの「親台派」は「中国人民が中国共産党を選んだ」という歴史的現実を受け入れたがらない保守派勢力が中心だ。彼らは往々にして中日関係改善の妨害者になっている。1972年の中日国交正常化は、彼らが仕掛けた数多くの障害を乗り越え最終的に実現された。今日の中日関係は得難いものだ。
中国の発展及び中日関係の安定的な関係促進に伴い、「親台派」の中日関係への影響が日増しに衰えた。そこで彼らは米国の親台議員と合流し、米国の中国けん制政策を利用し自身の影響力を拡大することを選んだ。実際には今回の「第1回台米日議員戦略フォーラム」よりも、日本が今年始めて「台湾」を「防衛白書」に明記したことの方が注目に値する。これは防衛白書が閣議決定されたものであり、公式なカラーが強いからだ。また日本防衛省の現職の責任者は岸氏だ。これらの手がかりをひとまとめにすると、「第1回台米日議員戦略フォーラム」の経緯が自ずと浮上する。中国外交部の趙立堅報道官が「言い古されたこと」と発言したのも理解できる。
日本側がどれほど「台湾情勢の安定は日本の安全だけでなく、国際社会の安定にとっても重要」と叫んでも、これは日本が軍事的に何らかの約束をする決意を持っているわけではない。まず、他国の内政への軍事的な介入は、日本の平和憲法と抵触する。より重要なことは、日本も自国の軍事力を腹の中でよく理解している。日本が米国に対して釣魚島が日米安保条約の適用対象であることを確認するようしつこく求めるのは、米国を引きずり込まなければ自衛隊だけでは自国の領土問題の分不相応な要求を維持できないことを理解しているからだ。
日本は自国を米国の親密な同盟国と見ているが、米国には同盟国を見捨てた前例がある。そのため日本はいっそう外交面で米国にひたすら追従し、米国から「友情」を手にしようとしている。言い換えるならば、日本が台湾問題で悪だくみをするのは、米国のアジア太平洋戦略に協力していると考えるからだ。しかし米国が同盟国を抜きにする外交で日本への約束を忘れることがある以上、日本の台湾地区へのいわゆる「保証」を信用できるだろうか。
趙報道官が指摘したように、いわゆる「台米日戦略対話」は一人芝居で、誰も関心を持っていない。これに加わる政治家もこの芝居にどれほどの意義があるかを理解しているはずだ。米国でも日本でも、国内の感染が再拡大している。これらの滑稽なパフォーマンスよりも、国内の防疫にしっかり取り組む方が、米日両国の国民の共鳴を起こしやすいだろう。(筆者・李若愚 中華日本学会理事、四川省地域・国別重点研究基地日本研究センター客員研究員)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年8月9日