日本の連立与党の消息筋によると、各地で新型コロナウイルス感染対策の緊急事態宣言が9月12日まで延長されることを受け、菅義偉首相がこれまで予想されていた9月上旬に衆議院解散総選挙に踏み切る可能性が低くなった。日本メディアは、11月下旬が有力になりつつあると分析した。
【選択肢が減る】
時事通信の18日の報道によると、自民党内部では依然として9月の解散の可能性が模索されている。しかし感染状況に好転がなければ、菅氏は先に総裁選に挑まざるを得なくなる。
菅氏の総裁の任期は9月30日で満了する。菅氏はこれまで、全国民の新型コロナウイルスワクチン接種を早急に推進し、東京五輪の成功により国民感情を奮い立たせ、東京パラリンピックが9月5日に閉幕してから衆院解散に踏み切ることで、選挙後に勝利者として自動的に総裁再任を果たし総裁選を避けるつもりだった。
ところが新型コロナウイルスの変異株「デルタ株」の感染が急激に拡大し、重症者が増加を続け、菅氏の狙いが空振りに終わった。日本政府は17日、緊急事態宣言の範囲を茨城、栃木、群馬などの7府県に拡大し、すでに宣言が発出されている東京都、神奈川県、大阪府などと共に期限を9月12日までとすることを発表した。
菅氏は17日夜の記者会見で、首相としての「喫緊の課題」は感染対策だと述べた。菅氏は選挙の日程表を明かさず、「(解散の時期の)選択肢が減っている」と述べるに留めた。
共同通信の報道によると、複数の政府高官は「緊急事態宣言中に衆院解散はない」と断言している。
【首相交代か】
自民党は総裁選の日程を調整中で、9月17日告示、29日投票を検討している。
菅氏は衆院選後に自動的に総裁に再任するつもりだった。しかし総裁選出馬を宣言した高市早苗前総務大臣、下村博文自民党政務調査会長などを含め、党内の一部からは先に総裁を選出してから衆院を解散するべきと主張する声が上がっている。
共同通信はあるベテラン国会議員の話として、菅氏は世論調査の支持率が低い状況下で衆院解散に踏み切れないと伝えた。複数の世論調査によると、菅内閣の支持率は30%前後で推移しており、昨年9月の首相就任後で最低水準になっている。日本人の6割超が菅氏の再任を望んでいない。
消息筋によると、菅氏は衆院議員の任期満了(4年)となる10月21日まで待つ可能性もある。その場合、日本の衆院議員の任期満了は戦後で2回目となる。
これは衆院解散の時期に現在、次の3つの可能性があることを意味する。まずは緊急事態宣言解除後の解散、次に総裁選後の解散、それから10月21日の衆院議員任期満了後の自動的な解散だ。日本の公職選挙法の総選挙の投票期限の規定と、投票日が通常日曜日に設定される習慣から、共同通信は衆院選の投票が早ければ9月26日に、遅ければ11月14日もしくは同月28日に行われると分析した。
自民党が再び総選挙に勝利する可能性が高いが、菅氏が再任できるかについては疑問が残されている。
日本メディアによると、人口が東京に次ぐ神奈川県の県庁所在地である横浜市は、今月22日に市長選を予定している。菅氏が支持する前国家公安委員長の小此木八郎氏が落選した場合、菅氏の求心力が弱まり、党内で危機感が生じる恐れがある。首相交代を求め、新総裁に衆院選を率いさせようとする声が大きくなる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年8月19日