日本の自民党は10月31日の衆院選で勝利を収めた。岸田文雄氏は第101代首相に指名される。今回の衆院選は岸田氏の首相就任から間もなく行われた。初戦の勝利は政権の基礎をある程度安定させた。
ところが岸田政権は感染対策、経済回復、安倍晋三氏と菅義偉氏の政権が残した「負の遺産」の解消といった数多くの難題に直面している。これらの難題をいかに解消し、政策面で「岸田カラー」を示すかは、長期政権を開始できるか否かの鍵になる。
岸田氏にとっては、感染対策を徹底すると同時に、大ダメージを受けた経済の回復が最初の問題となる。日本国内の感染状況は10月になり急に好転しているが、一部の専門家は冬の第6波を懸念しており、感染対策の気を緩めることができない。日本経済が大ダメージを受け、政府の財政赤字が激増している。岸田氏の財政出動は短期的な景気刺激効果を発揮するが、将来的な経済成長と財政建て直しの同時進行は長期的な課題となる。
岸田氏は会見で、今後の施政方針について、自ら主張する「新資本主義」に向け「令和版所得倍増計画」を推進すると同時に、政府内で感染症危機管理のための司令塔組織や児童庁をつくると表明した。「宏池会」の伝統的な「軽武装、経済重視」の主張を示した。
岸田氏の関連政策はいずれも自民党総裁選で主張されたものだが、衆院選の公約から削除された内容もある。岸田氏が今後いかに約束を守り、各政策の実施を促し「岸田カラー」を示すかは、来年の参院選の勝敗と、それに伴う長期政権の開始を決める鍵となる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年11月8日