米英豪の原子力潜水艦取引の劣悪なデモンストレーション効果が発展している。一部の日本の政治家は、「どさくさに紛れて」自国の原潜建造を推し進めようとし、国際社会から警戒されている。(文:国際問題オブザーバー 孔君)
日本は早くから原潜に目を向け、原子力船の技術研究に着手している。1950年代、日本の防衛省は日本は原子力推進の初期実現可能性研究を終えたと公表した。1963年、原子力委員会は民間の原子力船の建造を決めた。同船舶は1968年に建造を開始し、1972年に核燃料を装填し、関連の航行試験は日本の原潜と空母の発展に技術基礎を提供した。1980年代、日本国内で日米の原潜共同開発を描いた漫画『沈黙の艦隊』が流行した。
今日にいたるまで、日本の政治家は「原潜コンプレックス」を捨てていない。今年の自民党総裁選挙期間、候補者の河野太郎氏と高市早苗氏は、日本が原潜能力を持つことは非常に重要であり、それについて話し合う必要があると主張した。先日、海上自衛隊は潜水艦「はくげい」の進水式を行った。同艦は動力源にリチウムイオン電池とディーゼルエンジンを使用し、先進的な騒音低減技術を採用し、日本の通常原潜の最大トン数の記録を塗り替えた。同艦は原潜と比べて原子炉がないだけで、軍国主義を再燃させる野心を露呈させたという分析もある。
日本の核不拡散問題における誠意は国際社会の不審を買っている。第二次世界大戦の敗戦国である日本は「核兵器を開発しない」ことを約束し、非核兵器保有国として『核不拡散条約』に加盟し、1955年には『原子力基本法』を可決し、核エネルギーの研究と使用を平和目的に限定することを規定した。1967年以降、歴代の日本の首相は「核兵器を持たず、作らず、持ち込まさず」の「非核三原則」を主張してきた。
しかし、日本が近年「防衛限定」を突破し「平和憲法」改正を騒いでいることなどをみると、相手を欺くというのが日本の常套手段だとわかる。周知の通り、日本は世界公認の「核敷居国」で、核兵器の自主建造に技術面の壁がある。日本は兵器クラスの核材料を大量に保有し、いつでも「非核三原則」を破ることができる。2016年、当時のバイデン米副大統領は、日本は一夜で核兵器を開発する能力を有すると発言した。日本が国内外の疑問と反対を顧みず、福島原発の汚染水の海洋放出を一方的に決めたことを考えると、日本が約束を果たし、自身の義務を厳格に履行できるかどうかに大きな疑問を抱く。
日本の核軍縮問題における立場は矛盾し、極度に虚偽がある。長期にわたり、日本政府は核兵器被害者を気取り国際社会の同情を買いながらも、核軍縮を妨げている。ある報道によると、米バイデン政府は核政策の調整を調整し、核兵器の使用を見送ることを検討している。この発言に焦った日本は、米国にその考えをやめるよう懸命に促した。さらに、一部の日本の政治家は、米国が核政策を調整すれば日本は核保有の道を歩むと脅している。実際、日本は朝鮮やイランの核問題を話し合う際、当事国の合理的な安全配慮を一切口にしてこなかったが、現在は「安全配慮」を自身の核保有の理由にしており、徹底的なダブルスタンダードと言える。
「平和憲法」に基づくと、日本は戦争を発動する権利を放棄し、自衛隊は国家防衛目的に限定しているが、本当にそうだろうか。潜水艦「はくげい」は大型魚雷と対艦ミサイルを発車でき、魚雷防御システムも配備し、名実相伴う攻撃型潜水艦である。そのほか、日本は第一次世界大戦と日露戦争時期の装甲巡洋艦の名称を公然と採用し、新型護衛艦を「いずも」と命名した。同艦は排水量が2万トンに達し、F-35戦闘機が離着艦でき、準空母と見られている。
日本は攻撃型兵器を公然と開発し、正当防衛の範囲を超え、「平和憲法」を踏みにじっている。「はくげい」と「いずも」の登場は、地域の人民に警鐘を鳴らした。新任の岸田文雄首相は就任当初から「敵基地への攻撃能力」の発展を明言し、安倍政権のミサイル能力の野心を復活させた。日本を好き勝手させていれば、いつか「沈黙の艦隊」が現実になり、日本のしたい放題になる。
長期にわたり、日本はいわゆる「正常国」になるため、米国に歩調を合わせ、地域の争いを引き起こし、緊迫状態を作り出し、地域の面倒を引き起こす側となっている。日本は米国の「トマホーク」巡航ミサイルとスタンドオフミサイルを調達し、米国と防衛、宇宙空間、ネットワークなどの分野で軍事協力を強化し、釣魚島や南中国海でいざこざを引き起こし、米国主導の4カ国の枠組み「クアッド」に加わり、米英豪の「三者安全パートナー関係」を歓迎している。様々な行動から、アジア太平洋地域の安全情勢は不確定要素が増え、域内国と人民の関心を無視しているとわかる。周辺国は、日本に平和発展の道を歩み続ける気はあるのか、疑わざるを得ない。
日本国民は核兵器の巨大な危害を深く知っており、国内には核兵器を反対する理性的、平和的な声が存在する。しかし、軍国主義の魂を招き寄せる右翼勢力と比べて、核反対の声は弱まりつつある。歴史の痛みを心に刻み、「核兵器」や「原潜」などの兵器クラスの核材料を遠ざけることが日本の唯一の正しい選択である。一部の日本の政治家は間違った考えに固執し、米国の扇動と支持のもとで原潜などの攻撃型兵器の開発に心を奪われ、核兵器の開発を妄想してさえいる。そうなれば見本は後戻りできなくなる。日本の政治家が歴史の教訓を汲み取り、成り行き任せの考えを持ったり、国際社会の最低ラインを探ったりしないよう忠告する。裏表が無く、言動が一致し、核の幻想を徹底的に捨てることで、日本は国際社会の信用を得ることができる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年11月10日