日本の新潟県などが目指す「佐渡島の金山」の国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産登録について、韓国で警戒する報道が出ている。佐渡島の鉱山では戦時中、徴用された朝鮮半島出身者が過酷な労働に従事したとされる。韓国メディアは、日本政府がユネスコへの推薦を決めた場合、強制労働などを巡る「歴史歪曲」が繰り返される恐れがあると主張している。日本の共同通信が29日、伝えた。
2015年に世界文化遺産に登録された「明治日本の産業革命遺産」にも同じく、朝鮮半島出身者が労働に従事した長崎市端島(俗称は「軍艦島」)などが含まれる。韓国政府は強制労働を否定する姿勢を示す日本政府を強く批判している。
聯合ニュースは、「軍艦島と同様にならないよう適切な対応が必要だ」と主張。韓国外務省当局者は「(日本政府による推薦は)確定しておらず、鋭意注視している」としているが、日本政府が正式決定した場合は新たな懸案となる可能性がある。
世界遺産の登録申請はまず、国内での推薦が必要だ。日本の文化庁は、今年度に推薦を申請しているのは佐渡のみで有望と表明した。決定すれば、日本政府は来年2月1日にユネスコに推薦状を提出し、2023年に登録の審査を受ける。
明治日本の産業革命遺産の世界遺産登録について、韓国は一部の施設が「戦時中に朝鮮半島出身者が強制労働させられた」ことを理由に反対した。日本は「犠牲者が記憶されるよう適切に対応する」と表明し、韓国もその後登録に同意した。
しかし日本政府が遺産の全体状況を紹介するため2020年に設置した施設の展示内容には、朝鮮半島出身者に対する差別的な措置に関する証言が含まれず、韓国側から抗議が続いている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年11月30日