福島核汚染水海洋放出計画、日本は3つの疑問に答えよ

福島核汚染水海洋放出計画、日本は3つの疑問に答えよ。この措置は日本国民の過半数及び太平洋沿岸国から強い反発を受けた。しかし日本政府は計画を進める姿勢を変えておらず、批判に対処するため表面的な策を弄している…

タグ:福島 核汚染水 海洋放出 

発信時間:2021-12-09 16:10:24 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 東日本大震災後、福島第一原発にトップレベルの重大事故が発生した。この事故により現在まで100万トン超の核汚染水が発生しており、1000基を超える大型タンクに保管されている。日本は今年4月、タンクが間もなく満杯になりこれ以上の保管ができないとの口実で、2023年の上半期より太平洋への汚染水放出を開始する方針を固めた。この措置は日本国民の過半数及び太平洋沿岸国から強い反発を受けた。しかし日本政府は計画を進める姿勢を変えておらず、批判に対処するため表面的な策を弄している。


 福島の核汚染水の海洋放出計画について、次の3つの問題に注目するべきだ。


 (一)海底トンネルによる海洋放出で、放射性物質の海洋環境への汚染を減らせるか?


 最新の動きの一つは、海底トンネルを建設し汚染水を排出することによる「風評被害」の回避だ。東京電力は8月25日、福島第一原発付近に海底トンネルを1本作り、原発の沖合約1キロの海中に汚染水を放出すると発表した。これは自他を欺く政治的な措置であり、実情に基づき正しく処理する科学のプランではない。少し考えれば分かることだが、1キロのトンネルで汚染水を海に放出するのと直接海に放出するのとでは、海洋環境への汚染に本質的な差はない。海水は流動するものであり、放射性物質は海水の中で拡散を続ける。福島県と東日本の沖合、さらには世界の海洋への影響はこれによって何ら改善されない。東電と日本政府のやり方は科学的でなく、理解に苦しむ。


 (二)凍土壁が溶けたと発表し、海洋放出への同意を迫ったのか?


 福島原発事故後、地下水が炉心溶融した建屋に入るのを防ぐため、日本は深さ30メートル、全長約1.6キロの凍土壁を350億円で建設し、建屋を包囲した。この施設は一定の効果を発揮した。


 ところが国際原子力機関(IAEA)の専門家チームが汚染水放出プランについて視察した際に、東京電力は凍土壁の一部が溶けており、12月上旬に修復工事を開始する必要があると発表した。ここでは、東京電力は実際にはもっと早い段階で凍土壁の温度上昇による損壊の流れを把握していたにも関わらず、なぜ直ちに報告し修理しなかったのかという問題が浮上する。小さな穴を塞がなければ大きな穴になり苦しむ、これは東京電力も知っているはずの常識だ。この時期に関連状況を報告したことにはどのような下心があったのだろうか。


 しかも疑わしいのはこれだけではない。先ほど注目を浴びたタンクからの漏水の問題についても深く追究するべきだ。凍土壁や大型タンクなどは福島原発事故後に慌ただしく作られた臨時の緊急施設だ。建設は研究を踏まえておらず、設計に不備があり、慌ただしく作られた。しかし真剣に整備・管理すれば、これらのシステムは引き続き効果を発揮できる。海洋の汚染を少なくできる。


 日本は技術が高度に発達した国で、単なる冷凍や漏水の問題解決には少しも苦労しないはずだ。しかし東京電力はこれを利用し各方面を脅し、汚染水の海洋放出を強行しようとしている。これに対しては断固反対しなければならない。


 (三)海洋放出は日本の核廃棄物海洋投棄禁止の主張に悖るのでは?


 日本は意識的に自国を環境保護の模範国と印象付けてきた。核廃棄物海洋投棄の問題をめぐり、日本はかつて非常に積極的だった。ロシアは1993年に日本海に低放射性廃液を放出した。これは主に原子力潜水艦の低放射性洗浄剤と冷却剤だった。日本はロシアに正式に抗議し、放射性廃液の放出を永久に停止するよう求め、「日本国民は本件に大きな衝撃と憤りを覚えている」「日露間の冷戦後の長期的な相互不信任を激化させた」と称した。圧力を受け、ロシアのミハイロフ原子力相は日本に謝罪し、日本海への放射性廃液の放出を停止すると約束した。


 その後日本はさらに追撃し、ロンドン条約締約国協議会議が1993年11月に、核廃棄物海洋投棄を永久に禁じる決議を採択するよう働きかけた。福島の汚染水は核事故による放射性汚水であり、その規模は前代未聞だ。排出される放射性物質の量は「世界一」で、当然ながら禁止の対象であるべきだ。日本は自分にも厳しくするべきだ。


(筆者・諸旭輝中国軍備抑制・軍縮協会高級顧問 郭暁兵中国現代国際関係研究院軍備抑制研究センター長)

 

 「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年12月9日

 

 

 

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