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japanese.china.org.cn |22. 12. 2021

希望もたらす中日間の友情 時空超える魯迅『藤野先生』

タグ: 中日
人民中国  |  2021-12-22

 

廈門(アモイ)で握手する魯迅の孫の周令飛さん(左)と藤野厳九郎の孫の幸弥さん

17年には、内山書店100周年に際し、上海で記念活動が行われた。上海内山書店旧跡前で、内山のおいの籬さん(現内山書店会長)と周令飛さんが歴史的な握手を交わした。『人民中国』はその瞬間を目撃し、記録した。

魯迅が切り開いた中日間の個人的な友情は、新しい時代においても途絶えることなく続き、未来に希望を与えている。

 

上海内山書店旧跡前で握手する魯迅の孫の周令飛さん(右)と内山完造のおいの籬さん(写真・王浩/人民中国)

 

国交正常化50周年でも手本に

『藤野先生』を顧みることは、今日において特別な意義を持っている。

第一に、この作品は中日間の個人の友情を文章化した先駆けだ。20世紀初頭、多くの中国の文人が日本に渡ったが、日本の有識者との友情について書き残し、後世の人々を励ました者は、魯迅のほかに決して多くない。

第二に、魯迅は20世紀に海外へ中国の物語、中国と世界の物語を上手に発信した先駆けでもあった。魯迅の小説やほかの文芸作品により、中国の現代文化は初めて世界に紹介され、広く伝わった。魯迅作品は中国現代文学の海外進出の嚆矢になった。

第三に、「無窮の遠方、無数の人々」に対する魯迅の心配りが示す人類への思いやり、ならびに魯迅と藤野の賢人同士のいとおしみは、時空を超え、今日の人類運命共同体推進に人間主義の高みをもたらしてくれる。

中日友好の基盤は民間にある。中日両国の間には多くの問題や困難が存在するが、理解を深め、見守り合い、助け合い、歩み寄ろうとする人々の願望には堅固な基盤がある。東日本大震災の被災地に対する中国人の無私の援助であれ、新型コロナウイルス感染症の拡大当初に日本から届いた「山川異域、風月同天(山川域を異にすれども、風月天を同じうす)」「武漢加油(頑張れ武漢)」などの励ましであれ、全ては協力して困難を克服する中日両国の可能性を示している。歴史的な変動期を前に、またまもなく中日国交正常化50周年を迎える節目で、新時代の要求に合った中日関係の構築を背景に、魯迅と藤野の物語は私たちが揺るぎなく民間の友好を推進し、自信を持って人的交流、文化交流を行い、中日関係を全く新しい境地へ推し進めるかがみになるだろう。


人民中国インターネット版 2021年12月22日


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