米日の「半導体対戦」を教訓に 中国企業はいかに対応すべきか

中国網日本語版  |  2022-08-24

米日の「半導体対戦」を教訓に 中国企業はいかに対応すべきか。半導体はデジタル化、グリーンな製造、CO2排出ピークアウト及びカーボンニュートラル、情報安全などの各分野に深く浸透している…

タグ:半導体 デジタル 産業  企業

発信時間:2022-08-24 10:13:15 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 米国は今月「CHIPSおよび科学法案」(以下「半導体法案」)を可決すると、韓国、日本、中国台湾を寄せ集め、いわゆる「半導体クアッド」を作る計画をさらに加速した。香港紙「南華早報」は、半導体はすでに米中の競争の中心になっていると論じた。過去を振り返ると、米国が前回大々的な「半導体戦争」を発動したのは80年代で、ターゲットは日本だった。当時の米国は、アンチダンピング、高関税、制裁など一連の手段を講じた。細かく観察すると、米国の最近の中国に対する手段の多くに、当時の日本に対する傾向が見られる。

 

 米国が古い手口を利用

 

 今回の中国けん制を目的とする米国の半導体産業をめぐる再構築において、米国の「古い手口」に気づいている学者もいる。国際関係学院知的財産権・科学技術安全研究センターの郝敏主任は「環球時報」に対して、70、80年代の日本の半導体産業発展の道は現在の中国と共通する点があり、国家政策がその中で重要な役割を演じていたと分析した。当時の日本は国が音頭を取り、東芝、三菱、富士通などの電子企業を集め、共同出資で「DRAM製法イノベーション」プロジェクトを立ち上げた。日本企業の半導体分野の連盟を打破すべく、米国は東芝や日立などの代表的な企業に手を下した。米政府は1982年に産業スパイの罪として日立と三菱の従業員を逮捕し、米IBMの技術を盗んだ疑いがあるとした。しかしその後公表された情報によると、これは米国側による「おとり捜査」だった。1985年に東芝が秘密裏にソ連に精密工作機械を4台販売した件が発覚したが、これは米国が日本に攻撃を仕掛けるための絶好の口実になった。米国は1987年6月に東芝制裁法案を可決し、東芝の米国工場を閉鎖し、一連の調達契約を解除した。さらに東芝のすべての製品の対米輸出を2−5年禁止した。

 

 また米国と日本は1986年に「米日半導体協定」を締結した。日本は半導体市場の開放を求められ、また5年内に日本市場における外国製半導体のシェアを20%以上にするとされた。米国はその後さらにアンチダンピングなどの手段を使い、高額の懲罰的関税をかけ、日本の半導体産業が徐々に勢いを失っていった。

 

 郝氏は、米国が日本もしくは中国の半導体産業を手を下す際に、そのバックには米国半導体工業会(SIA)という重要な推進者がいると述べた。SIAは1985年6月に通商法301条に基づく提訴を行い、日本の半導体市場が日本の構造的な壁により海外メーカーに閉ざされていると主張した。現在の「半導体法案」が可決される前にもSIAは力強い支持を表明し、かつ何ら対策を講じなければ世界の半導体産業における米国のシェアが2030年に10%まで低下すると称した。

 

 郝氏は、最近の米国の「半導体法案」の可決は、ツールボックスの産業政策を再び持ち出したということであり、この手段はかつて日本との「半導体対戦」でも使われたと述べた。

 

 前例からの教訓

 

 日本の経済産業省による最新の統計では、日本は1988年の時点で世界の半導体市場の50.3%のシェアを占めていたが、2019年にはわずか10%となった。この10%を維持するのも非常に困難で、利益が少ない。80年代の世界半導体トップ10社のうち日本は5社だったが、2019年には9位の東芝のみとなった。東芝は経営難に陥り、最終的に自社の半導体事業を手放した。

 

 中国は日本と同じ結末を迎えるだろうか。日本の産業政策に詳しい関係者は「環球時報」に対して次のように述べた。

 

 現在の半導体産業は90年代と大きく異なる。当時は1社がハードディスクやメモリなど具体的な製品を生産しており、一国の数社だけで全世界の製品供給を支えられた。しかし現在は、中国大陸部、中国台湾、米国、韓国などの半導体企業が重要な位置を占めており、欧州や日本は遅れている。製品ももはやハードディスクなどの単一的な製品ではなくなっている。半導体はデジタル化、グリーンな製造、CO2排出ピークアウト及びカーボンニュートラル、情報安全などの各分野に深く浸透している。

 

 中国は世界最大の半導体消費市場だ。中国に製品を売らなければ、コスト問題が直ちに顕在化し、半導体技術の更新の維持が非常に困難になる。中国は経済戦略で再構築に取り組み、技術革新をさらに推進できれば、日本の当時の結末を回避できるはずだ。


「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年8月24日

Twitter Facebook を加えれば、チャイナネットと交流することができます。
中国網アプリをダウンロード

日本人フルタイムスタッフ募集     中国人編集者募集
「中国網日本語版(チャイナネット)」の記事の無断転用を禁じます。問い合わせはzy@china.org.cnまで