9月29日は中日国交正常化50周年記念日だ。双方は最近、一連の記念イベントを開催している。これは両国の友好関係者の良好な願いを反映している。ところが中日関係の困難な現状により、この本来ならば喜ばしい日の雰囲気が重苦しくなっている。歴史的な感情、地政学、パワーバランスの変化などの影響を受け、中日の間には過去50年になかった不信感と戦略上の懸念が生じている。両国関係は再び重要な岐路に立たされている。「環球時報」が伝えた。
日本の岸田文雄首相は26日、訪日したハリス米副大統領と共に台湾問題についてあれこれと口出しした。中国人は、中国は歴史的に日本に借りがないのに、なぜ日本の中国への敵意がこれほど激しく、米国を超えるほどであるのかを理解できない。中国は日本を「ライバル」さらには「敵」としたことがないのに、日本はなぜ至る所で中国を仮想敵国にするのか。
中日両国の古い世代の政治家は50年前、卓越した戦略的な目と政治の勇気により、冷戦の氷を打ち破り数多くの壁を乗り越え、中日国交正常化という政治の決断を下した。東西冷戦を背景とする中日国交正常化の実現は、両国の50年に渡る平和的発展の戦略的チャンスの時期を切り開き、アジアの地政学的安全環境を大幅に改善し、アジア全体の平和と長期安定を守った。同時に中日は「アジアの奇跡」をけん引する2つのエンジンとなり、「アジアの世紀」を世界の期待に変えた。
ところが残念なことに、歴史が世界の人々に重要な啓示を残しているのも関わらず、日本では普遍的に無視もしくは誤読されている。そのため日本にとっては特に、歴史を鑑とすることが特殊な意義を持っている。50年前の中日の間で公式往来がほぼなかった冷戦時代、双方は昔の恨みを氷解させることができた。今や双方が経済・貿易・人文などで相互につながるなか、中日には乗り越えられない壁はないはずだ。中国側の態度は一貫しており、重要なのは日本が歴史を鑑とし、中国の発展を客観的かつ理性的に見た上で、積極的に行動することだ。
50年に渡る中日の間で最も際立った変化は、2010年に中国のGDPが日本を超え世界2位の経済体になったことだ。中国のGDPは年内に日本の4倍に達する可能性がある。これは日本の中国に対するネガティブな態度が近年強まっている重要な原因であり、現在の日本国内の中国への認識はまだ適応期を終えていないと分析されている。この過程において、一部の日本のエリートは見境なくいわゆる「中国脅威論」を誇張し、さらには「先制攻撃」の考えまで持っている。これは日本にとって極めて危険だ。
孫中山(孫文)は1924年、生前の最後の重要談話の中で、日本に「西洋覇道の鷹犬となるか、或いは東洋王道の干城となるか、それは日本国民の詳密な考慮と慎重な採択にかかるのである」と忠告した。日本は歴史的に間違った選択をし、痛ましい教訓を得た。「歴史を以て鏡と為せば 以て興替を知るべし」世界の百年に一度の大変動を受け、再び日本は「慎重に選ぶ」時を迎えた。
互恵とウィンウィンは中日協力の主旋律であると言うべきだが、消極的な要素の干渉にも直面している。周知の通り、中日は「中日共同声明」や「中日平和友好条約」などの4つの政治文書に署名し、両国の平和・友好交流の原則と政治の基礎を築いた。ところがこれらの文書における日本側の歴史問題や台湾問題をめぐる厳かな政治の約束と、日本の政治家にやる靖国神社参拝や台湾問題への干渉などの行為を比べると、悪質極まりない。特に日本の台湾問題をめぐる干渉の衝動がますます顕著かつ激しくなっており、中日関係の根幹を揺るがす可能性が高い。
中日関係は米国から強いけん制を受ける。これは客観的な事実でもある。しかしその一方で、日本は完全に米国の言いなりになる家来ではない(米国はそうなるよう仕向けているが)。日本は常に自分の計算と能動的なスペースを持っている。ところが現在の日本がこの能動性を、米国の対中けん制戦略へのバランス化ではなく強化に用いていることが問題だ。そうすれば日本は北東アジアのトラブルメーカーになる。これは日本には荷が重く、演じられない役割だ。
中日はいずれも相手国を普通の隣国とは言い難い。日本側が客観的で理性的な中国への認識を打ち立て、中日を「互いに協力パートナーとなり、互いに脅威とはならない」という政治的共通認識を政策に反映し行動に移し、中日関係の船が座礁し航路を外れないようにすることを願う。これは中日両国にとって有利であり、地域ひいては世界の平和と安定に関わる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年9月29日