国交正常化50周年は、今年の中日関係の一大テーマだ。中日両国の古い世代の指導者は数多くの困難を乗り越え中日国交正常化を促し、中日関係の急発展と各分野の協力の政治的基礎を固めた。中日双方は50年後に過去を振り返る際に温故知新に注意し、両国関係の歴史的基礎を守るべきだ。そこで両国政府及び人民、特に日本側は次の数点に取り組むべきだ。(文=于海竜・中共中央党校国際戦略研究院の学者)
(一)中日国交正常化の初心をしっかり守る。友好的・平和的交流が中日両国の人々の需要、時代の発展の需要に合致することは、50年間の実践で十分に証明されている。しかし最近になり、日本の対中政策が右翼思想と冷戦思想の影響を受けやすくなっているという消極的な傾向が見られる。これは中日友好協力問題における後ろ向きな姿勢を強め、中米の戦略的競争において立場表明を急ぎ、米国の「手先」に甘んじる場合が多い。国際社会で「中国脅威論」を喧伝・誇張し、中日関係の正常な運行に深刻な影響を及ぼしている。そのため今日の日本政府は特に、50年前の中日国交正常化における日本の政治リーダーの初心を温め直し、「以隣為壑」と「以隣為善」の間で日本の国益と人々の福利に真に合致する決断を下すべきだ。
(二)二国間関係の根幹をなす正しい歴史観の樹立を堅持する。1972年に中日国交正常化を実現させた「中日共同声明」は歴史問題をめぐり重要な共通認識を形成し、「日本側は、過去において日本国が戦争を通じて中国国民に重大な損害を与えたことについての責任を痛感し、深く反省する」「日本国政府は、ポツダム宣言第八項に基づく立場を堅持する」などとした。これらの内容を含む中日共同声明は、中日関係の50年に渡る健全な発展の重要な支えの一つであり、当時の日本政府が正しい歴史観を堅持したことの現れだ。ところが近年、日本政治の右傾化のエスカレートと民族主義的思想の氾濫に伴い、日本政府は一部の保守派の政治家と右翼勢力の働きかけを受け、戦後レジームの束縛から脱却し日本を「戦える国」にするため事実を顧みず、中日両国の圧倒的多数の人々の利益と需要を顧みず、日本の侵略の歴史の希薄化と歪曲を試みている。その靖国神社、歴史教科書、釣魚島(日本名・尖閣諸島)など一連の歴史・領土問題をめぐる言行は、両国国交正常化当初の正しい歴史観から徐々に遠ざかっている。これらの手法は両国が形成した一連の重要な共通認識を蚕食し、中日関係の歴史問題の基礎を大きく損ねている。
(三)中日友好のより十分な民間の原動力を維持し、掘り起こす。中日両国は地理的に近く、文化が相通じ、数千年の友好交流を続けている。中日両国は国交正常化前に各分野の民間外交を開始し、「民によって官を促す」により中日国交正常化を促した。今や両国は関連分野の協力の掘り下げにおいて、共通する大きな需要と大きな発展の余地を残している。両国の圧倒的多数の人々も二国間関係の平和的で友好的で穏健な促進を維持することを願っている。そのため中日国交正常化を温め直すと同時に、中日友好の歴史の根源と民間の原動力をしっかり守り、民間外交を着実に展開し、かつ中日民間外交に新たな中身と原動力を持たせるべきだ。
50年の風雨の洗礼を浴びた中日関係は再び、歴史的発展の岐路に立たされている。「温故知新」「守正創新」「継往開来」は今後の中日関係の発展のキーワードになるべきだ。両国は歴史を温め直しボトムラインをしっかり守ると同時に、平和・友好及び共同発展の新しいチャンスと原動力を模索するべきだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年10月16日