中国の孔鉉佑駐日大使は8日、第18回「北京―東京フォーラム」の挨拶で、「日本政府は現在、国家安保戦略の改定に取り組んでいるが、一部からは公然と中国を脅威、もしくは挑戦と位置づける声が上がっている。中国側はこれに強い懸念を表する。このような間違った位置づけに基づけば、日本の対中政策は誤った道へ誘い込まれ、必然的に両国関係の政治的基礎に衝撃を及ぼす」と指摘した。(筆者=孫西輝・中国社会科学院アジア太平洋・世界戦略研究院副研究員)
日本の国家安全戦略は、日米同盟に依存すると同時に自国の軍事力を持続的に強化する。第二次大戦の敗戦国である日本は、軍事・政治面で平和憲法の規制を受ける。政治的に米国に「改造」され、軍事的に米国と同盟を結び、安全面で米国の「保護」を受ける。日本は長期的に日米同盟を安保・外交の礎としてきたが、近年は常に自国の軍事力の強化を目指している。
日本の与党・自民党の計画によると、日本政府は「国家安全保障戦略」「防衛計画の大綱」「中期防衛力整備計画」という重要な安保3文書を年内に改定する。現在発表されている情報によると、日本の右翼は政府がこれらの文書の中で中国をネガティブに評価するよう働きかけているとみられる。「中国の脅威」の喧伝の裏側で、岸田政権の目的も明確になっている。これはつまり「中国の脅威」と「周辺の有事」の喧伝により、機会を利用し日本の軍事的配備と軍事力を強化し、いわゆる国の正常化という目標を達成するため準備をすることだ。
しかし日本のこのやり方が地域の平和と安定に不利であることは明白で、すでに周辺諸国から広く警戒・懸念されている。日本の防衛予算は10年連続で増加しているが、現在も地域情勢の緊張を喧伝し、自国の軍事力の突破を目指している。この動向は非常に危険だ。アジアの隣国と国際社会は、日本が専守防衛を維持し平和発展の道を堅持するかを強く疑問視せざるを得ない。日本側が為すべきは、侵略の歴史を真剣に反省し、アジアの隣国の安全の懸念を尊重し、軍事・安全分野で言行を慎み、地域の平和・安定に寄与することだ。この過程において、中国に関する正確な認識と位置づけを維持することも重要だ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年12月12日