日本に歴史問題の「免罪符」はない

中国網日本語版  |  2023-03-11

日本に歴史問題の「免罪符」はない。

タグ:歴史 軍国主義 強制徴用

発信時間:2023-03-11 09:00:00 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 韓国側は最近、第二次大戦中に日本によって強制徴用された韓国籍労働者への賠償問題に関する、いわゆる「第3者が肩代わり」というプランを示した。このプランは韓日が実質的な関係改善に向け踏み出した一歩と直ちに解読されると同時に、韓国の野党及び民間から「屈辱外交」といった厳しい批判を浴びている。韓国の聯合ニュースは、ソウルでこのプランが発表された同日、日本が国連人権理事会で第二次大戦中の労働者強制徴用の事実を否定したと報じた。韓国側の同プランが引き起こした議論はさておき、日本が中韓などのアジア諸国に対して犯した労働者の強制徴用及び酷使といった人道主義の深刻な罪だけを挙げても、被害国は日本に否定と書き換えを許されない歴史の事実を直視するよう再び促し、いかなる口実であっても日本が歴史の責任から逃れる免罪符にはなりえないことを強調するべきだ。歴史問題の処理と解決の前提と真の活路は、歴史を直視し深く反省する立場と実際の行為を日本が国際社会に示すことだ。

 国際情勢の変動と地政学的な複雑な変化に伴い、日本は近年いわゆる正常な国になる動きを急ぎ、軍事大国の欲望が持続的に膨らみ、社会の思想も日増しに右傾化している。具体的に歴史問題については、侵略の歴史を無実と訴え、戦争を美化するため大声を上げている。歴史を巡り右傾化・実用化・ツール化などの危険な兆しが見られる。

 (一)歴史問題の持続的な右傾化。戦後の長期に渡り、日本は平和憲法と社会の反戦勢力のけん制を受け、改憲を含む歴史を覆す狙いに効果的な進展がなかった。歴史の直視と平和的発展は日本経済の「奇跡」を支えた。ところが90年代のバブル崩壊に伴い、日本社会では政治・経済・文化・教育・社会を跨ぐ右傾思想と民族主義情緒が生まれた。これらの思想は近年、より多くの国家主義及び新保守主義の意識に浸透している。さらに日本の経済的な競争力が大きく衰え、多くの社会問題が際立ち、日本社会の思想が日増しに右傾化している。歴史問題をめぐる「自虐史観」からの脱却や、自主的な軍備の強化といった右傾化言論が甚だしくなっている。

 (二)歴史問題の持続的な実用化。日本による近年の地政学的なパワーの強化に伴い、日本は歴史問題と現実的な問題の間でやりくりをする力を強化している。歴史問題も日増しに、日本の現実的な駆け引きを支える役立つ道具になっている。歴史問題の侵略的な性質をあいまいにし、「加害者」としての身分を風化させ、さらには忘れ、世界で唯一の核兵器「被害国」であることを強調するなど、徐々に実用化の原則になっている。特に昨年末に発表された安保3文書が確立した「反撃能力」は米国や欧州などの国から支持されたばかりでなく、歴史の恨みが深い韓国側からも「理解」を得た。これは地政学的な同盟などの現実を利用し歴史を形骸化させようとする日本の暴走を激化させた。

 (三)歴史問題のツール化。韓国側が今回発表したプランは、韓国側の複雑な考慮もあったが、日本の歴史問題ツール化の一つの「成果」と見ることもできる。これは経済と貿易の圧力や戦略的な誘いかけなどによる歴史修正主義の推進、歴史問題を対応のツールに変化させる攻勢を浮き彫りにした。今日の米国は歴史の教訓を顧みず、日本が徐々に集団的自衛権を解除し、ひいては軍備拡張に向かうことを支持している。これは地域で覇権を手にしようとする米国に協力するといった取引の結果であり、日本による歴史問題ツール化の代表的な一例だ。

 しかし日本軍国主義の侵略の歴史には動かぬ証拠が山とある。韓国の今回のプランは自国の複雑な考慮に基づく選択であるが、日本がこれを利用し歴史を直視する責任から逃れ、各種ツールを利用し勝手に歴史の事実を変え、地政学を利用し歴史を覆せると独りよがりに考えることはできない。歴史をしっかり直視し歴史を深く反省し、永遠に戦争を起こさないという心からの歴史の懺悔により徴用工を含む被害者を真に尊重する言葉と行動を見せることで、初めて歴史への一抹の尊重と平和へのほんの少しの重視を示すことができる。このような日本でなければアジアの隣国から信頼を得て、国際社会で活躍することはできない。(筆者・笪志剛黒竜江省社会科学院北東アジア研究所研究員、北東アジア戦略研究院首席専門家)

「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年3月11日

Twitter Facebook を加えれば、チャイナネットと交流することができます。
中国網アプリをダウンロード

日本人フルタイムスタッフ募集     中国人編集者募集
「中国網日本語版(チャイナネット)」の記事の無断転用を禁じます。問い合わせはzy@china.org.cnまで