人口危機への対応、日本に2つの教訓あり

中国網日本語版  |  2023-03-18

人口危機への対応、日本に2つの教訓あり。

タグ:人口 少子化 奨励 政策

発信時間:2023-03-18 09:00:00 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

文=張伯玉・中国社会科学院日本研究所研究員

 日本は戦後のベビーブームの中、1949年に269万人という出生数の記録を作った。この数値は2022年に80万人を割り込み、1949年の3分の1にも届かなかった。80万人を割り込むのは1899年に統計が始まってから初で、予想よりも11年早かった。日本の学者は、今後10年は日本が出生率を高める最後の機会と見ている。日本は「最後の機会」をつかみ人口減少に歯止めをかけられるだろうか。

 過去30年に渡る家庭と結婚を支援し出産を奨励する政策により、日本政府は人口減少のペースダウンで一定の効果を手にした。日本は出生率が極めて低い水準(1.3人)より下がるのを回避し、1.3人前後を維持している。

 しかし出産を奨励する措置をどれほど掲げても、日本の出生率は極めて低い水準を脱していない。これには2つの理由がある。まずは出産促進を重視しながら、結婚促進を軽視していることだ。出生率を上げるための日本政府の取り組みの重点は常に既婚世帯の出産の促進で、主に育児支援や働き方改革などに集中している。若者の結婚を支持する措置が長期的に無視されている。2013年6月の「少子化危機突破のための緊急対策」がようやく「結婚の支援」(新婚世帯に経済支援を提供し、結婚を望む人が結婚できるようにする)を、育児支援や働き方改革と同列の、出生率向上措置の3本の矢とした。

 次に形式の重視と実質の軽視だ。日本政府は出生率向上を促す一連の計画・戦略・緊急措置を発表し、細やかで行き届いた出産促進の政策措置を打ち出した。ところが世帯関連の社会支出の対GDP比を見ると、日本の世帯政策支出の財政規模は小さい。2003年に「少子化社会対策基本法」が施行されてから、児童手当の充実化や保育園などの保育施設の整備などの世帯関連の社会支出の対GDP比が徐々に上がり、2003-17年の十数年で1ポイント弱上がった(0.64%から1.58%に上昇)。1990-2002年(0.35%から0.64%に上昇)と比べると、世帯関連の社会支出が大幅に増加している。

「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年3月18日

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