日本の対外援助戦略、軍事・安全への転向に要警戒

中国網日本語版  |  2023-04-13

日本の対外援助戦略、軍事・安全への転向に要警戒。

タグ:外交青書 OSA ODA 海洋 軍事 

発信時間:2023-04-13 14:24:12 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

文=項昊宇・中国国際問題研究院アジア太平洋研究所客員研究員

 日本の外務省は11日に2023年版の外交青書を発表した。中国の正常な国防事業の発展を「これまでにない最大の戦略的な挑戦」と称し、かつ巻頭で「力による一方的な現状変更の試みは日本の周辺でも続いている」と称した。この国際秩序観はイデオロギーで線を引き、陣営対抗のゼロサム的思想が満ちており、また軍事的な束縛を緩め大国の地位を手にしようとする日本の私心が混ざっている。

 日本の軍事安全面の最近の一連の動きを見ると、2023年版外交青書には少なくとも3つの警戒すべき点がある。

 (一)日本の対外援助戦略の軍事・安全への転向を象徴。日本政府の発表によると、今回は政府開発援助(ODA)の枠組みの外に政府安全保障能力強化支援(OSA)を新設する。主な目的は、「同志国」の安全の需要に適応し、無償資金協力などを通じ関連国に軍需物資を含む能力建設支援を提供することだ。先ほど可決された2023年度予算の中で、日本政府は関連協力に充てる20億円の経費を計上した。ODAと比べると小規模だが、日本側は将来的にこれを新たな対外援助の支柱とし、軍事・安全の影響力を輸出する新たな足がかりにしようとしている。これは政治・軍事大国の地位を目指す日本の国家戦略・目標と同じ流れをくむ。

 (二)日本の軍事・安全の禁区のさらなる突破を助長。日本の今回の強軍・軍拡の動向から見ると、防衛費の増額や攻撃的な軍事力の発展といった「正面突破」の他に、「横からの突破」という鮮明な特徴が見られる。これはつまり、軍事協力の拡大と掘り下げのことだ。日本が将来的にOSAを通じ対外軍事援助を展開し、徐々に「防衛装備移転三原則」の制約を形骸化し、海外軍事活動の範囲をさらに拡大すると予想できる。これは平和憲法の規定と「専守防衛」が完全に有名無実化することをも意味している。また日本の国防・軍需産業もこれにより海外で商業的利益を拡大できる。

 (三)日本の地域安全における役割の消極的な変化を予兆。日本側は外交青書の中で世界の衝突に直接介入することはないと称しているが、その潜在的な援助先は主に「インド太平洋」地域に集中しており、東南アジア諸国が重点対象になりうる。これはOSAに地政学的対抗のカラーを持たせ、日本が南中国海などの地政学的にホットな問題に介入する道を作る。海外メディアの解読によると、OSAはすでに「友軍支援の新制度」と直接定義されている。

 ユーラシア大陸の端に浮かぶ島国の日本の対外戦略は常に、地政学的駆け引きを念頭に置く。日本の「海洋国家」としての権力が及ぶ範囲を守り、拡張する一方で、大陸からの影響力の拡大を抑制し、陸の大国の海洋への拡張を阻もうとしている。中米のアジア太平洋における駆け引きが激化する中、日本は「米国と共に中国をけん制」という方針を明確に示し、絶えず東中国海、南中国海、台湾海峡の問題を利用している。これは日本による国際権力観の現れだ。

 日本は国力が絶えず低下する逆境の中で動き出し、ODAによる国際的な影響力の維持に満足せず、「日本に有利な安全環境の構築」という旗印を掲げ国際安全の影響力の拡大を目指している。これは本質的には国際及び地域の大変動において先に手を打ち、大国の競争の権力争いに積極的に参加し、新たな地域の秩序及び権力構造において有利な地位を占めようとするものだ。これらのやり方はアジア太平洋の団結と協力に影を落とし、地域の分裂・対抗のリスクを激化させる。日本の対外軍事・安全援助が今後及ぼす影響に対しては、地域安全の「トラブルメーカー」として見据え、対応しなければならないだろう。

「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年4月13日

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