日本メディアの報道によると、防衛省は2023年度内に自衛隊サイバー部隊の人員を現在より1340人増やし、2230人に拡充することを決定した。「サイバー防御」の旗印を掲げ部隊を拡充する日本の真の狙いは、サイバー攻撃能力を高めることだ。これはその軍拡の野心を助長し、他国に安全の脅威をもたらす。
中国国際問題研究院アジア太平洋研究所副研究員の孫文竹氏は取材中、「日本のサイバー部隊の大幅な拡充は、新たな国家防衛戦略の実行の重要な措置だ。昨年末に発表された安保3文書は、国防能力の抜本的な強化を掲げ、サイバーセキュリティ分野の対応能力を欧米主要国と同等にするかそれ以上にすると主張し、2027年度までにサイバー防御人員を4000人に拡充することを計画した。サイバー部隊の持続的な拡充のほか、自衛隊は機関の新設や国際協力の強化などの措置を掲げ、サイバー戦の攻防能力をさらに高めようとしている」と述べた。
自衛隊のサイバー部隊の大幅な増員は、仮想空間における作戦能力の強化に向けた地ならしだ。中国現代国際関係研究院北東アジア研究所日本安全研究室主任の徐永智氏によると、自衛隊サイバー部隊が現在主に担っている任務の一つは「中央クラウド」で、一元化防御を実施し、軍用情報通信インフラを守る。もう一つはその他の勢力の作戦の支援で、関連する訓練を行う。
孫氏は、「長距離ミサイルや戦闘機などの攻撃的な武器の調達と比べると、サイバー空間の軍事能力の建設には一定の隠蔽性がある。これは攻撃と防御、軍事と民間用の間のグレーゾーンに位置する。平和主義の思想が日本国民の間で依然として一定の影響力を持つことを考慮すると、サイバー能力の建設は民意の反発や国際メディアの物議を招きにくく、日本の軍拡の優先事項の一つになっている」と述べた。
日本による自衛隊サイバー部隊の持続的な拡充は、サイバー戦の攻防能力を強化する欲望が膨らみ続けていることを露呈した。徐氏は、「日本は自衛隊サイバー部隊の発展に取り組み、サイバー防御の範囲を持続的に拡大している。専守防衛の原則と平和憲法の制限を徐々に打破し、軍拡を目指す野心がより顕著になっている。同時に日本は米国との同盟における弱点に甘んじず、サイバー戦攻防能力の強化を通じ、米軍とのサイバーセキュリティ分野での共同行動における相互運用性を高めようとしている」と述べた。
自衛隊サイバー部隊の拡充は現在、人員不足の問題に直面している。徐氏は、「自衛隊サイバー部隊は、外部からの人材の募集が不足し、内部の人材の水準が低いという境地に陥っている。自衛隊の学校で新たにカリキュラムを組み、人員を海外に留学させることなどで育成しているが、短期的に効果は出にくい」と述べた。
孫氏によると、人員拡充は予算面でも一定の圧力を受ける。サイバー空間は日本の新たな国家安全保障戦略が掲げた、国防費投入の重点分野の一つだ。岸田政権は「軍事費を5年内に倍増させる」としたが、財源については現在も不明瞭だ。
日本のサイバー部隊拡充は、その軍拡の野心を助長する。取材に応じた専門家によると、日本のサイバー分野の軍事力の強化は全体的な軍拡を後押しする。その一方で米日同盟を通じ、米国の「サイバー空間における軍事の絶対的な優位性の確保」という全体方針を支持する。これらの危険な動きは地域安全のパワーバランスをさらに乱し、地域の平和と安定に衝撃を及ぼすため、強い警戒が必要だ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年5月16日