G7サミット、「秩序」を唱え「覇権」を思う=豪専門家

中国網日本語版  |  2023-05-25

G7サミット、「秩序」を唱え「覇権」を思う=豪専門家。

タグ:G7 サミット 覇権 インド太平洋 国際秩序

発信時間:2023-05-25 14:25:38 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 今年の主要7カ国(G7)サミットは日本の広島で開催された。主な議題は覇権の秩序の維持。広島は初めて核攻撃を受けた都市だが、この開催地とG7の変化を続ける注目の焦点を結びつけると、皮肉の意味合いが強くなる。G7の設立は主に、共同のマクロ経済イニシアチブの促進により現代の経済的な問題に対応することが目的だが、今や力を蓄え経済戦争を起こそうとしている。(筆者・Daryl Guppyシルクロード国際商会オーストラリア代表、国際金融市場技術分析専門家)

 今回のG7サミットの表向きの主旨は、国際法を基礎とする国際秩序を守るG7の揺るぎなき決意を示し、一方的に現状を変える試みに断固反対することだ。ところがG7参加国は経済の現状がすでに変わった事実を受け入れず、また世界2位の経済体である中国が未来の国際秩序の変化においてより多くの発言権を手にすることを阻止できないことを認めてない。この変化に適応し、多極体制を平和的に発展させることは、G7がより注目すべき問題だ。

 G7サミットは「自由で開かれたインド太平洋」の協力の強化に再言及したが、最近の中国海軍の演習に対するG7参加国の強い反応は、その真の目的とダブルスタンダードの本質を露呈した。まるで中国による公海の「自由で開かれた」使用は道義的に許されず、G7参加国の高圧的な「航行の自由」訓練は理にかなっているかのようだ。

 中国は世界2位の経済体で、世界経済成長への寄与度は18%を超えているが、G7サミットは中国を除外している。このような会議に権威と重要性があるとは思えない。この排他的なやり方は、G7は本当にルールと秩序に基づく世界の共通認識を反映しているのかと疑わざるを得ない。

 しかし何はともあれ、今年のG7サミットは意義重大だ。これはサミットの議長国である日本が第一次世界大戦のやり方にならい、(かつての)欧州の列強と同盟を結ぶことで、G7をNATOに似た軍事集団に変えようとした。日本のこの野心は誰の目にも明白だ。これは重大議題に現れているほか、中国の発展への規制を願うG7以外の8カ国を追加招待したことにも現れている。

 G7はすでに反中連合に変化した。この変化はその合法性を弱めたが、かと言ってG7の声を無視できるわけではない。G7サミットで発表された一連の決定を正確に評価するためには、これをパートナーシップではなく覇権のツールとして見るべきだ。

 G7サミットの影響力は上海協力機構などのより広い代表性を持つ国際組織に及ばないが、やはり無視できない。G7の余勢は長期的に存在し続ける可能性がある。しかし真の世界意思決定センターはすでにRCEPなどの貿易メカニズムや、ASEANなどの多国間政治組織に移り始めている。これらの組織はいずれも中国の地位を認めており、中国から支持を得ている。

 G7招待国のリストを見ると、G7も包摂性の重要さを認めていることが分かる。これは本来良いことなのだが、G7サミットが中国を除外すると、これは伸るか反るかの賭けになった。世界の大多数の国が求めるルールは、多極もしくは多国間を背景に制定されるもので、米国とその複数のG7同盟国が制定するものではない。中国は包摂と協力を常に主張しているが、G7のやり方はこれに背くものだ。

「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年5月25日

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