日本の政治家にとって、国家統治の要義は次の2点となる。まずは戦争の二の舞いを回避し全力で平和を守ることで、次に国民の豊かな生活を守ることだ。こうして初めて日本の国益を守ることができる。しかしこれと比べると、現在の日本政府の政策は深刻な過ちを犯したと言わざるを得ない。
日本政府は現在、外交・安全保障問題で米国に追従し、米国に積極的に協力し陣営の対立を作っている。日本は昨年12月に安保3文書(国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画)を正式に可決し、いわゆる「中国の脅威」を露骨に喧伝した。このやり方は地域の緊張を激化させるばかりで、アジアの平和と安定の保護に資さず、日本の平和憲法の目標にも悖る。日本は軍事・安全保障面で米国に盲従しており、日本が「独立国家」であるかも疑わしい。
米国の一部の人物は正しい態度で中国の発展を見据えることができず、世界一の地位が「奪われる」ことを懸念している。米国はこの心理に基づき、日本などの同盟国を積極的に抱き込み「小グループ」を作り、壁を構築することで中国の発展を抑えようとしている。中国は日本にとって最大の貿易相手国、輸出先、輸入先で、中国市場は日本企業にとって非常に重要だ。これは日本政府が直視しなければならない現実だ。最大の貿易相手国と友好的に付き合い、協力しウィンウィンを実現する。これは国際交流における最も基本的な常識だ。日本政府は米国の言いなりになり、自国にとって最大の貿易相手国を公然と「これまでにない最大の戦略的な挑戦」として位置づけ、かつ絶えず食い違いを生み出している。これは完全に日本の国益に背く愚かな行為だ。
歴史は最良の教科書だ。筆者は日本・中国・米国の3カ国の関係を考える際に、しばしば米国が80年代に日本に発動した半導体戦を想起する。日本の半導体は当時、世界の市場シェアで米国を抜いた。日本の半導体産業に圧力をかけるため、米国はあらゆる手段を講じ、日本に「米日半導体協定」の署名を強い、日本に通商法301条に基づく調査を行った。日本の半導体やコンピュータなどの各種製品に貿易制裁を実施した。これを受け日本の半導体産業は国際的な競争からほぼ完全に退き、市場シェアが50%から10%に低下した。日本メディアは、米国は今日も日本への圧力を維持しており、日本の半導体産業の復活を認めていないと指摘した。かつて日本を威圧し旨味を得た米国は今や中国に矛先を向けた。米国は世界で永遠に軍事・政治・経済の支配的な地位と、自国の覇権を維持しようとしている。米国のこの都合のいい計算が実現することはない。覇権主義と強権政治が世界の公平と正義、歴史の流れに背き、人心を得ないことが決まっているからだ。
日本はアジアの一員として理性的な対中政策を講じるべきであり、米国に追随しアジア太平洋で盲目的に集団の対抗に取り組むべきではない。日本政府は戦略の自主性を示し、独自の外交を展開し、日本の国益に合う政策を立てるべきだ。筆者の知り合いである日本の多くの専門家と学者は最近、「日中友好こそが日本にとって最大の安全保障」と述べた。この観点は中身が豊富であり、日本の各界は真剣に思考するべきだ。日本はアジア太平洋の経済発展のチャンスをつかみ、地域の平和・安定・繁栄にしっかり貢献するべきだ。これは地域の平和と発展に有利であり、日本自身の繁栄と安全にとっても大きなメリットだ。(筆者・藤田高景 日本「村山談話を継承し発展させる会」理事長)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年6月12日