日本と韓国の安全・経済・貿易などの各分野の交流と協力が最近回復しているが、その裏側には米国の存在がある。米国はアジア太平洋の同盟国が中国排除の産業チェーン及びサプライチェーンを構築するよう、より強く働きかけようとしている。ところが中日韓は長期的に、互いに重要な経済・貿易協力パートナーだ。中国は日本と韓国にとって最大の貿易パートナーであり、韓国と日本は中国の第4・5の貿易パートナーだ。地域と世界の産業チェーン及びサプライチェーンの安定と円滑を共に維持することは、中日韓及び地域の共通の利益に合致する。
RCEP枠組み内で中日韓の経済・貿易協力を掘り下げる上で重要になるのは、サービス貿易の促進だ。初歩的な試算によると、中日韓のサービス貿易の水準を倍に上げ、対GDP比を世界平均水準に近づけるか同等にすれば、1兆4000億ドル以上の新たな市場が形成される。
中国は日韓にとって最大の市場だが、これは中国経済構造のモデル転換がサービス貿易の旺盛な需要を生み、中日韓のサービス貿易の発展に大きな余地をもたらすためだ。中日サービス貿易額は2012−21年の間に257億3100万ドルから314億2300万ドルに増加し、中韓サービス貿易額は222億8800万ドルから324億4500万ドルに増加した。しかも中国は日本及び韓国とのサービス貿易で長期的に赤字を維持している。中国の12−21年の対日貿易赤字額は累計1090億500万ドルで、対韓は408億9100万ドル。
中日韓の二国間貿易におけるサービス貿易の割合は現在、いずれも世界平均水準を下回っている。21年の中日の二国間貿易におけるサービス貿易の割合は7.8%、中韓は8.22%、日韓は11.06%と、世界平均の21.4%を下回った。世界のサービス貿易発展の大きな流れに適応するため、中日韓は経済・貿易協力の重点をサービス貿易に置き、新たな貿易成長源を形成し、3カ国の貿易構造のアップグレードを促すべきだ。(遅福林 中国(海南)改革発展研究院院長)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年6月26日