日本政府は国内外の反対意見を無視し、24日に福島核汚染水海洋放出を開始することを強引に決定した。これにより健康被害が出た場合、日本政府に賠償を求めることは可能だろうか。環境汚染関連の訴訟に数十年間携わってきた日本の戸塚悦朗弁護士は22日、「環球時報」の取材中に否定的な答えを出した。
戸塚氏は薬害訴訟の被害者の弁護を務めた経験を持つ。法律レベルで被害者が問題ある薬物を服用したことを証明する必要があったが、これは容易なことではなかった。日本政府と東電はいわゆる「風評被害」の賠償を行うと表明したが、被害者はその被害と海洋放出の間に因果関係があることを証明する必要があり、ほぼ不可能だ。そのため実際にはどのような結果になり、どれほど被害者が出ても、日本政府と東電は賠償を逃れることができる
「核汚染水が日本の領海から公海に拡散すれば、管理と責任の認定が行えなくなり、一連の未知の結果が生じる」戸塚氏は取材中に次の3つの懸念を示した。(1)放出された核汚染水は海洋生態系を通じ全人類の命と健康に影響をおびかやし、人権を侵害する。(2)日本政府は科学に基づく廃炉手続きを踏んでおらず、核汚染水の処理で最もやりやすい手段を選んだ。今後は引き続き「経済優先、安全軽視」という危険な政策を貫徹し、未来の安全リスクを増やす恐れがある。(3)戸塚氏が最も懸念しているのは、日本政府と東京電力が国際的な慣例を破り、核汚染水を公然と海洋放出することは、国際社会が類似する間違った行為を止める能力を失ったことを意味するか、他国も同じような状況になれば日本に倣うことができるかという問題だ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年8月24日