中華人民共和国駐日本国大使館はこのほど「環球時報」に対して、日本が福島核汚染水海洋放出を開始した後、大使館の電話と一部職員の個人の電話に日本現地からの大量の迷惑電話が入ったと明かした。その一部は極めて攻撃的な言葉で、さらには一部の右翼反中勢力が大使館前で騒ぎを起こしたという。大使館は同時に、在日中国人の人身の安全と合法的な権益を守るため全力を尽くすと強調した。次の3つの前提についてはっきりさせ、重視する必要がある。
(一)日本は中国側が福島核汚染水海洋放出を利用し国内のナショナリズムを煽っていると批判を続けているが、これは実際には日本の逆ギレだ。日本が8月24日に核汚染水海洋放出を開始した後、中韓などの関連国が広く懸念を表した。これは日本による核汚染水海洋放出の危害が先にあり、是非曲直には分かりやすい因果関係がある。日本側の逆ギレに見られるナショナリズムとやりたい放題の迷惑行為には、「泥棒が他人を泥棒呼ばわりする」の疑いがある。
(二)日本は自国民を含む国際社会に対して、核汚染水海洋放出の説得力ある十分な説明を行っておらず、自国民の憤りと抗議が増え続けている。現段階において、福島核汚染水海洋放出の危害については諸説紛々しており、特に少なくとも30年に渡る海洋放出行為の海洋生態ひいては人類の健康への潜在的で蓄積される危害や、放射性物質の蓄積により異変が生じるかなどについては科学の結論が出ていない。日本は客観的な観測、実際の状況に基づく説明、責任感ある基本的な態度を維持するべきだ。日本の野村哲郎農林水産大臣は記者からの質問に対して「核汚染水」と述べ、岸田文雄首相を驚かせた。岸田氏は記者に向け「全面的に謝罪」するよう求めたが、これは何を意味するだろうか。日本側は民意の反対と人々の憤りをすべて他人のせいにしてはならない。
(三)日本は自国の在中国公館と在中国日本人が「危険」に晒されていると誇張しているが、中国駐日本国大使館への迷惑行為と包囲についてはどう説明するか。一部の日本メディアは「ウィーン条約」の侵害に当たると称しているが、これは中国人の言動が過激であるという意味だ。しかし日本側の中国駐日本国大使館への迷惑行為を見ると、その言葉は攻撃的で行動は過激で、良識の欠ける茶番である。
この世論の影響への効果的な処理について、日本政府は当事国としての態度を示すべきだ。
まず、日本政府は誠意ある態度により、国際社会に納得できる十分な説明を行うべきだ。次に、日本政府は自国の一部の民衆の行為を制限し、中日関係の安定に向け実際の行動を示すべきだ。最後に、中日友好の土壌を共に守るべきで、日本側は50数年に渡る得難い成果を惜しむべきだ。「核汚染水」の本質の印象を薄れさせ、「処理水」の旗印を掲げ被害者のイメージを形成するやり方をやめるべきだ。周辺諸国からの疑問視に理性的に向き合い、反中の世論ムードを作るのをやめ、両国の民間往来とサイバースペースに清朗な環境を戻すべきだ。
(筆者・笪志剛 黒竜江省社会科学院北東アジア研究所研究員、北東アジア戦略研究院首席専門家)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年9月4日