「日本流」の外交、東南アジアで道を踏み外すな

中国網日本語版  |  2023-10-09

「日本流」の外交、東南アジアで道を踏み外すな。

タグ:東南アジア 外相 上川 ベトナム

発信時間:2023-10-09 14:03:43 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 日本の上川陽子外相は8日、ブルネイ、ベトナム、ラオス、タイの歴訪を開始した。年末に東京で開かれる日本とASEANの特別首脳会議に向けた地ならしが主な目的だという。9月13日の岸田内閣改造で外相に就任した上川氏はニューヨークの国連総会に出席した後、次の外遊先として東南アジア4カ国を選択したが、これは日本の外交の東南アジアに対する重視とされている。岸田内閣は「日本流」の外交により、米国の東南アジアでの影響力低下による空白を埋めようとしているとの説さえある。

 東南アジアは第二次大戦後、日本の外交において常に重要な位置を占めている。これには当時の冷戦を背景とする政治的な意義があり、また戦後日本の回復の経済的な意義もある。日本の東南アジアにおける経済活動(日本企業の対東南アジア投資に便宜を図る)は、関連する東南アジア諸国の発展に貢献した。

 しかし21世紀に入ると、中国を含む多くの発展途上国と新興市場国が急速に発展し、世界構造に持続的かつ深い変化が生じている。特に近年、米国側の挑発と圧迫により中米の駆け引きが突出している。東南アジア諸国は中米の間で右往左往し、さらに中日の間でバランスを保つ必要がある。日本でさえも中米の間で一定の選択を迫られる。

 いわゆる「日本流」とは通常、経済協力により信頼関係を構築し、日本の影響力を拡大することと理解される。日本の経済外交には政府開発援助(ODA)、投資、貿易という3本柱があり、日本は東南アジアにとって確かに重要な経済パートナーだ。上川氏が今回訪問する東南アジア4カ国のうち、タイは日本との関係が安定しており、日本はタイに巨額の投資を行っている。ベトナムはインフラ整備の支援を必要としており、日本はそこで影響力を発揮しようと勇み立っている。特に日本は近年、ベトナムおよびブルネイと中国の島嶼を巡る係争を利用し、介入することで、2国をさらに抱き込もうと試みている。

 日本は抱き込みを強めているが、東南アジア諸国は中米の間で依然として完全な立場表明を拒否しており、中日の間でバランス外交を放棄することはない。日本はベトナムとの関係を「重視」しているが、中国が長期的にベトナムにとって最大の貿易パートナーであることも紛れもない事実だ。日本とブルネイは今年になり防衛協力及び交流の強化をめぐる議論を始めたばかりだが、ブルネイは中国とC919旅客機を30機調達する大きな契約を交わしたばかりだ。東南アジア諸国が日本の思い通りに動くことはない。国際構造が変化する中、日本が米国の「インド太平洋戦略」に協力し中国を抑圧し、米国が東南アジアで残したいわゆる「空白」を埋め地域諸国を抱き込もうとしても、日本にそんな力はとっくに備わっていない。

 実際に東南アジア諸国は中日両国のパトナーであり、中日韓は「地域的な包括的経済連携(RCEP)」協定の中心的な国だ。ASEAN諸国が中日の間で立場を表明したがらないことは明らかだ。「日本流」の経済外交が盲目的に米国に追随すれば、日本を含むアジアに害をもたらすばかりだ。東南アジア諸国は戦後日本が長年付き合ってきた経済パートナーだが、今になり経済協力を手段とし多くの政治的内容を混ぜるのであれば、日本が東南アジアで長年かけて築いてきたイメージを損ねるだけだ。「日本流」の外交は、米国と共に分裂を引き起こし自他に害をもたらすのではなく、東南アジアを含むアジアで引き続き共に安定と繁栄を促進するべきだ。

(筆者=廉徳瑰・上海外国語大学日本研究センター主任、教授)

「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年10月9日

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