南アフリカの自動車市場は長年に渡り、日本と欧州の自動車が主流だった。ところが今や南アの主要都市の道路で中国車を見かけることが多くなった。哈弗や奇瑞などの中国ブランドのSUVが販売台数で一部の日本・欧州・米国ブランドを上回った。香港紙「南華早報」が伝えた。
南ア全国自動車製造業者協会のデータによると、今年1-11月に中国ブランドの一部の車種が、現地市場で最も売れ行きが好調な家庭用SUVとクロスオーバーになった。VWのティグアンはかつて南アで最も売れていたSUVだが、今年1-11月は哈弗のH6がティグアンを抜き1位になった。3位は奇瑞の車。これは中国自動車メーカー、特に奇瑞が南アで転機を迎えたことを意味する。アナリストは、「奇瑞は2021年に南ア市場に復帰するまで、自動車の質を高め信頼できるディーラーネットワークを構築するため取り組み続けていた。同社はさらに南アのディーラーと取引先に大型部品倉庫、健全な機械整備・サービス計画、24時間ロードアシスタンスなどを提供した」と述べた。
南ア市場が中国車を重視するようになったのは価格の力だ。哈弗と奇瑞が製造する自動車はコストパフォーマンスが高く、一部の欧州や日本の自動車メーカーの類似車種よりも割安だが、より多くの機能を提供する。S&P Global Trucostのアナリストであるウォルト・マデイラ氏は、「中国車は実際に南ア市場を風靡している。中国ブランドの成功はコストパフォーマンスのおかげだ。消費者は従来の競合他社よりも高い競争力を持つ価格で、頑丈な大型SUVを購入できるようになった」と述べた。
これらの中国車はさらに、強力な外交の武器になった。哈弗と奇瑞は今年8月、ヨハネスブルグ付近でBRICS首脳会議に出席する代表者の送迎を行う数百台のSUVを提供した。ウガンダが来年開催する第19回非同盟運動サミット、第三回グローバルサウスの声サミットでは、一部の中国メーカーが生産した自動車が代表者に使用される。
南ア・ウィットウォーターズランド大学南方不平等研究センターの客員研究員である馬希洛氏は、「中国自動車ブランドの多くが、全方位カメラ、ナビゲーション、センサー式充電装置などのフルセットの電子システムを搭載している。これは大多数の機能をオプションとし料金を取るその他の自動車メーカーのやり方と異なる。競争力を持つ中国ブランドを選び、その関連する技術機能を利用する家庭が増えている」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年12月26日