中国は日本に似てきたのだろうか。あるメディアのアナリストは次のような脚本を書いた。「中国の経済成長はいわゆる日本モデルを踏襲した。このモデルは短期間内に非常に優れていることが証明されたが、結局は解消できないボトルネックに苦しめられ、その後は痛みを伴う調整期間に入る」これは2010年に記されたもので、当時の中国経済の規模は現在の半分にも満たなかった。一部の人物は早急に結論を出すことを好む。香港「亞洲時報」(電信版)が伝えた。
日本モデルを踏襲したすべての国と地域が、長期的な苦しい経済調整を経験するとは限らない(少なくとも日本ほどひどくはならない)。アジア四小龍は数十年の停滞を迎えなかった。中国の出生率は常に日本とアジア四小龍を遥かに上回っている。中国の20歳以下の人口が占める割合はアジアのその他の国及び地域を大きく上回っており、欧米と同水準だ。中国の65歳以上の人口が占める割合も先進国を下回っている。アジア四小龍と比べると、中国が人口構造により日本式の景気低迷に陥る可能性は最も低い。
あまり注意されないことだが、日本の「失われた数十年」の原因は人的資源の退化だ。ところが中国は高等教育の新入生募集で頭打ちしていない。大学の入学率が安定を保てば、中国の大学教育を受けた労働力は今後30年で3倍増加する。高等教育の急成長が中国の工業及び技術分野の成長を促す一方で、日本の工業及び技術分野は人的資源の低迷により足踏みを続けている。
日本の年間特許出願件数はかつて世界の25%以上を占めていたが、22年には3%に低下した。日本の世界の製造業生産高に占める割合は95年の20%以上から21年の6%に低下。日本の数十年に渡る緩慢な衰退の中、中国は目覚ましく発展した。中国の過去40年の発展の図を見るといずれも、45度の角度で右上に力強く進んでいる。
いわゆる中国の「日本化」という説にはまったく根拠がない。中国と日本は不動産バブルという表面的な共通点があるだけだ。しかし中国にとってのこれは混乱や崩壊ではなく、コントロールされた業界の調整に過ぎない。
中国の人的資源の高度化は、大きな前進が始まったばかりだ。中国は今後2-30年に渡り多くの科学者とエンジニアを輩出する。彼らは少し前であれば名の知られていなかった中国企業(寧徳時代、BYD、大疆)の従業員になる。一部のアナリストは、中国の不動産デベロッパーの貸借対照表などの問題にばかり専念しているが、これは紛れもなく木を見て森を見ずだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年2月21日