(四)「スモールヤード・ハイフェンス」が、日本経済の一大リスクになっている。日本経済はバブル崩壊後、グローバル化の掘り下げに向かった。その貿易額の対GDP比は90年代の10%から15年以降の17%まで上がり、対外直接投資の対GDP比は1%から3%に上がった。ところが近年の脱グローバル化の流れが、日本経済に衝撃を及ぼしている。
米国の対中経済戦略の「デカップリング・チェーン寸断」と「脱リスク」を受け、日本もG7広島サミットを象徴とし、米国とその同盟国の半導体などのハイテク分野の「スモールヤード・ハイフェンス」に巻き込まれている。かつ日本がそれまで構築していたいわゆる「経済安保」と合流する形となった。実際に対中投資は2015年以降、日本の海外投資のうち収益率が最高となっている。
「スモールヤード・ハイフェンス」も「経済安保」も、日本経済の良好な発展に資さないことは明らかだ。(筆者=張玉来・南開大学世界近現代史研究センター教授、日本研究院副院長)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年2月21日