「日経新聞」(電子版)はこのほど、「日本とEUは先端材料分野の協力の掘り下げについて交渉を開始する。具体的には半導体や電気自動車(EV)用バッテリーに必要な重要原材料に焦点を絞る。交渉の枠組みは早ければ4月に設ける」と伝えた。
日本とEUの協力について非難すべき点はないが、情報によると、今回の双方の協力強化は「第三者」を念頭に置くという。日本メディアによると、協力の主な目的は「中国依存回避」だ。これは重要原材料に関するいわゆる「中国の脅威」の蒸し返しであると同時に、日本とEUの双方がEVなどの新興分野で正常な市場競争を歪めていることを示した。
中国のEV産業チェーンの発展に伴い、欧州及び日本の内燃機関技術を中心とする自動車産業が「転換期」を迎えていることは確かだ。またEVへのモデルチェンジの遅れに焦燥し、さらには新世代技術によりルールを変更しようとしている。ところが正常な市場競争と産業の変革の問題に地政学のレッテルを貼れば、自分と異なる者をいじめて圧力をかけようとする一部の大国の邪道に従い、自由で開かれた貿易を立脚点とし市場競争を直視するというEUと日本のイメージを損ねるかもしれない。
実際に現在の世界市場と国際産業の分業は、持ちつ持たれつの構造になっている。中国が世界経済の3割の成長に寄与すると同時に、14億人以上の特大市場、全ジャンルの工業生産能力、すべての人材、整ったインフラなどの条件を備える中、中国とのより緊密な協力という選択こそが、グリーン・デジタル技術を現実に変え、企業と各国の利益のパイを最大化する理性的な選択だ。先ほど開かれた中国発展ハイレベルフォーラムにおいて、BMW、BOSCH、メルセデス・ベンツ、ワッカー・ケミー、ゼット・エフなどの欧州大企業の責任者は続々と、中国に根ざし中国に浸透する重要性を強調した。「脱リスク」の旗印を掲げ中国を遠ざけようとする行動は自国のビジネスの利益に背く。新規巻き直しを図ろうとしても、市場を失うか市場が縮小することでコスト削減が困難になり、インプットとアウトプットの循環においてイノベーションを発展させることができなくなる。(筆者=董一凡・中国現代国際関係研究院欧州研究所の学者)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年4月8日