ドル円相場が最近急落を続け、23日には一時1ドル=154.88円と、1990年6月以来の34年ぶりの円安となった。
大幅な円安と、その重要な影響要因である持続的なドル高は現在、世界経済に深刻な衝撃を及ぼしている。この状況は特に国際社会から懸念されている。米国の過激な金融引き締め策によりドル相場が大幅に上がり、国際金融市場の安定を脅かしている。これにより世界経済が直面するリスクが拡大している。円だけでなく、ウォン、インドネシア・ルピア、インド・ルピー、フィリピン・ペソなどのアジア各国の為替レートが低下し、一部の通貨は数年ぶりもしくは数十年ぶりの安値をつけている。リスク回避として国際市場でドルを購入する傾向が強まり、急速なドル高を促し、連鎖反応を形成している。
世界の金融の歴史を振り返ると、似たような状況のドル高が往々にして金融と経済のリスク、さらには危機をもたらすことが分かる。そのため今回の急激な円安は米国以外の国に対して、潜在的な金融危機の対応で警戒を強めるよう促した。(筆者=秦兵・遼寧社会科学院北東アジア研究所研究員)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年4月25日