share

日本自動車メーカーの集団不正、その原因は?産業の変革、労働力不足とプロ意識の低下

中国網日本語版  |  2024-06-13

日本自動車メーカーの集団不正、その原因は?産業の変革、労働力不足とプロ意識の低下。

タグ:日本自動車メーカー 集団不正

発信時間:2024-06-13 15:00:01 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

日本の国土交通省は11日、トヨタ自動車で判明した不正行為は日本の国の基準だけではなく、日本、韓国、欧州を含む62の国及び地域が採用する国連基準にも反する恐れがあると結論づけた。日本と国連の乗用車基準は一致し、同様の不正行為により欧州及びその他の地域で量産できなくなる可能性が極めて高い。国交省はその前日、ホンダの不正行為についても立ち入り調査を行った。これまでも日本の多くの企業から不正が発覚していたが、今回の自動車メーカー5社による集団不正は大規模かつ広く影響を及ぼし、非常にネガティブな社会的影響を生む。「環球時報」が伝えた。

不正が生じた背景には、自動車産業の変革がある。「日本経済新聞」によると、自動車の各種ソフトウェア及び機能の増加により、それに対応する検査項目も増え、認証の難易度も上がる。ある自動車メーカーは新車開発を効率化するために、コンピューターによるシミュレーションを導入したが、コストが大幅に増えた。自動車安全の「要」である認証部門は、社内では「浪費部門」のレッテルを貼られる。ある大手自動車メーカーの責任者は、「実際のテストではその回数を極力減らそうと、1回の試験で基準を満たそうとする。認証が必要な項目が増え続ける中、効率を上げようとするならば不正行為が生じやすい」と述べた。

日本テレビは、自動車メーカーの不正が相次いで発覚しているが、これは日本社会の労働力不足の問題を明らかにしたと分析した。豊田章男氏は会見で、認証中に「すべての工程を理解できる責任者がおらず、個人の判断に依拠する場合もある」と述べた。日本テレビは、「トヨタのような大企業でも認証関連の専門知識を持つ人材が不足している」と伝えた。この問題は認証を担当する政府機関にも存在する。日本政府筋は日本テレビに対して、「現在の政府機関内は監督管理担当者が不足している。公務員の人手不足は時に大きな問題を生み、社会に悪影響を及ぼせばまずいことになる」と述べた。

しかし企業内の従業員のプロ意識の低下も不正問題の原因の一つだ。米コンサルティング会社コーン・フェリーの社員エンゲージメント調査によると、日本製造メーカー(85社)のそれは世界平均水準(計585社)を8ポイント下回った。同社のクライアントディレクターの岡部雅仁氏は、「就業規則及び規定を遵守する意識はこのエンゲージメントと関係している。業務の負荷が上がり活動の価値が下がるほど、法規遵守の意識も下がる。そのため(試験)現場でおかしなことが生じても、日本の従業員がそれを明示することはない」と述べた。

日本企業(中国)研究院の陳言院長は「環球時報」の取材で、「日本の製造業はかつて長期的に他国をリードしていた。しかし今や自動車はかつての機械製品からスマート端末に高度化した。日本の自動車産業は新たな競争を迎えやや力不足になっており、過去の産業体制で対応できなくなり、データ偽造という手段で米国、欧州、中国に対抗している。自動車産業の発展は民間投資や技術革新と密接に関わるが、日本はこの面で大きく進歩していない。日本の設備更新率は今年第1四半期に前年同期比でやや低下した。これは日本の製造業がより保守的になり、投資の意欲が下がっていることを意味する」と分析した。

しかし陳氏は、「日本の自動車製造の実力は依然として非常に高く、技術の蓄積も分厚い。日本の現段階の遅れは企業の戦略的な選択によるものか、市場への判断や取捨選択だろう」と強調した。

「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年6月13日

Twitter Facebook を加えれば、チャイナネットと交流することができます。
中国網アプリをダウンロード

日本人フルタイムスタッフ募集     中国人編集者募集
「中国網日本語版(チャイナネット)」の記事の無断転用を禁じます。問い合わせはzy@china.org.cnまで