日本の赤沢亮正経済再生担当大臣と米国のベッセント財務長官が関税問題をめぐりワシントンで会談したことが最近、国際メディアの注目の的になっている。米国側は交渉に「重大な進展」があったと称しているが、赤沢氏の発言は正反対だった。米日の間には依然として大きな溝があり、現段階での即座の合意はまったく不可能だというのだ。「環球時報」が伝えた。
日本にとって、米国の関税政策は日本経済の根幹を揺るがす可能性があり、さらに日米同盟の相互信頼の基礎に衝撃を及ぼした。自動車産業を例とすると、米国が日本車に25%の関税を課すと米国市場での競争力を失い、国内の産業チェーンに影響が及び、日本の製造業の基礎が揺らぐ。日本自動車メーカーが米国に生産ラインをさらにシフトすれば、日本国内の産業空洞化が加速する恐れがある。さらに危険なことに、米国の関税政策の朝令暮改により、日本は今後4年に渡り不確実な外部経済・貿易環境に常に直面する必要が出てくる。日本は経済及び社会レベルで常に緊張を強いられ、米国への疑いと不満も募る。石破茂氏は米国に「異例」の強硬姿勢を示したが、これは日本国内での米国への疑問視の台頭を反映している。
また米国の関税政策がもたらす衝撃は、20世紀の日米貿易摩擦のコピーだけではなく、西側陣営内部の新たな経済・貿易関係の見直しを促す可能性がある。米政府は米国の債務危機と産業の苦境から脱却するため、同盟国に覇権の牙をむいている。「日本経済新聞」は、米政府の関税政策の真の目的は次の3つかもしれないとした。(1)米国経済の消費大国から製造大国への転換の実現。(2)米ドルの相対的な低水準と世界の基軸通貨としての地位の維持。(3)同盟国との防衛費負担計画の再構築。これは米国側が交渉において日本に示した要求と一つずつ対応する。日本企業の対米投資及び工場建設の加速を促し、ドルに対する円高を求め、在日米軍駐留経費の日本側の負担増を要求した。そのどれ一つであっても日本経済にとっては耐えられない可能性がある。
米日関係の急転直下は、米日同盟に固有の脆弱性を示した。日本は自国の安全の利益と経済の命脈を米国と縛り付けているが、これは実際には国の前途と運命を他者に委ねるもので、不平等な同盟関係において言いなりになるしかない。時は流れ、プラザ合意が再現されることはないかもしれないが、石破氏が語る「国難」は決して大げさではない。日米同盟が直面している新たな試練は、「永遠の同盟国はなく、永遠の利益があるのみ」という古い問題を示しているだけだ。日本にとって合意より重要なことは、世界経済・貿易の秩序が再構築される中で、戦略的な自立と経済的な独立を取り戻す方法を探ることかもしれない。(筆者=項昊宇・中国国際問題研究院アジア太平洋研究所特別招聘研究員)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2025年4月23日
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