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2プラス2取りやめの背景と「中国脅威論」

中国網日本語版  |  2025-07-08

2プラス2取りやめの背景と「中国脅威論」。

タグ:軍事費 中国脅威論 敗戦 80周年

発信時間:2025-07-08 15:35:01 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

報道によると、米政府が日本政府に対し防衛費を対国内総生産(GDP)比の3.5%へ引き上げる要求を行い、これに反発した日本政府は7月1日に予定していた日米外務・防衛担当閣僚による安全保障委員会(2プラス2)開催を取りやめた。日本政府は専守防衛の原則から戦後、防衛費を対国内総生産(GDP)の1%以下に抑制する政策を堅持してきたが近年、米国の要求に従い、周辺国の安全保障上の脅威拡大に対応するとの理由で安保関連法の改正(2015年)や安保関連3文書の改定(2022年)などが行われ、現在、日本政府は2027年度にGDP比2%に引き上げる目標を掲げるに至っている。

日本では近年、「中国の軍事費の増加」などを根拠に、殊更に「中国の脅威」を煽る風潮がみられ、それが防衛費拡大と防衛力強化の正当化根拠とされている。しかし、実は2000年の日中交流の歴史において、大部分の期間において日本は圧倒的な経済力と軍事力の差がある中国と共存し、多大な文化的恩恵を享受してきた。両国が対立した期間は極めて限定的であった。

日本の対中報道や論調で「中国脅威論」が強調される背景には、日本政府が東西冷戦下で西側陣営の一員として米国の対中敵視政策に同調し続けたことが影響している。その結果、報道内容に偏りが生じ、多くの日本人も米国を通して中国を見る習慣が形成された。こうした独善的なイデオロギー、利害関係、感情的バイアスに縛られてきたことが、現在の状況を招いているのではないだろうか。

イデオロギー、国家、民族、体制の違いを越え、そこに生きる民衆の姿を伝えることは、民間レベルでの広範な相互理解促進の要となる。そして、「中国脅威論」に疑問をもち、その本質に目を向けるきっかけにもなるだろう。実際に現地を訪れ、中国人と交流し、一般民衆の生活、歴史、文化、思想、文明論など多角的な視点から、中国を知れば知るほど、自身が中国についていかに無知であるか、そして表面的なデータや言説から「中国脅威論」を鵜呑みにすることの危険性に気づくはずである。日中両国は、対話と交流を通じ、互いに尊敬し学び合い、永続的なアジアの安定、そして世界の平和のために共に努力していく永遠のパートナーであらねばならない。

第二次世界大戦での敗戦80年を迎える今日、戦争の悲惨さ、平和の尊さを戦争経験者に学べる機会は少なくなり、侵略戦争への深い反省と不戦の誓いをいかに未来に継承していくかが喫緊の課題となっている。加害者の立場である日本人は決して侵略の歴史と深い反省を忘れてはならない。「中国脅威論」を主張する政治家こそ実際に中国を訪れ、自らの目で脅威の有無を判断すべきである。そして、すべての紛争を平和的手段により解決し、互いに覇権を求めないことを定めた日中平和友好条約と国際紛争を解決する手段としての戦争を放棄することを定めた平和憲法の精神に従い、不断の外交努力を行うべきではないか。

(文=小林正弘・清華大学法学博士/Genuineways Law Firm パートナー)

「中国網日本語版(チャイナネット)」2025年7月8日

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