英国放送協会(BBC)11月29日付報道によると、プレミアリーグのブライトンFCは同日、ソーシャルメディア(SNS)で物議を醸した写真について謝罪した。写真には、サッカー日本代表の三笘薫選手とクラブのユース選手がそれぞれ、旧日本軍将校・小野田寛郎の肖像が印刷されたカードを持って写っていた。
ブライトンFCアカデミー(育成組織)のX(旧Twitter)公式アカウントは11月27日、U-12チームがプレミアリーグ教育プログラムで優勝し、「クリスマス休戦トーナメント」ベルギー大会への参加権を獲得したことを祝う投稿をした。この際、三笘選手とユース選手が小野田の軍服姿が印刷されたカードを持った写真が使われていた。
小野田寛郎は、第二次世界大戦で公式に降伏した最後の日本兵で、日本降伏から約30年後の1974年までフィリピン・ルバング島で戦闘を続けた。BBCは「小野田はルバング島で民間人を30人殺害したが、当時のフィリピン政府は恩赦を適用した」と指摘。帰国後は英雄的な扱いを受けたことも報じている。
ブライトン所属の三笘選手が小野田の写真を持った画像が公開されると、SNS上で直ちに批判が噴出し、中国の多数のサポーターから怒りと失望の声が上がった。ブライトンFCアカデミーはX公式アカウントで、「アカデミーがクリスマス休戦トーナメント参加に際して投稿した内容に関し、中国の方々を不快にさせたことについて心から謝罪する。中国のサポーターを大切に考えており、不快にさせる意図は全くなかった」とする声明を発表した。
BBCの解説によれば、プレミアリーグ主催のクリスマス休戦トーナメントは、第一次世界大戦中の1914年のクリスマスシーズンに前線の英独兵士が自発的に停戦し、サッカーで交流した史実に由来する。同リーグは「U-12選手に欧州トップクラブとの対戦機会を提供すると同時に、現代世界を形作った歴史的出来事を学ばせる」と目的を説明している。ブライトン側は「この写真はミスで、クラブもリーグも事前に内容を把握していなかった」と釈明した。
29日付韓国紙「朝鮮日報」は、ブライトンが韓国のサポーターには謝罪していない点を指摘し、「旧日本軍の戦争犯罪は中国に限定されない。朝鮮半島を植民地支配し数十年にわたり迫害を加えた」と主張。一方、フィリピンのネットユーザーからは「ブライトンはまず我々フィリピン人に謝罪すべきでは」との声も上がっている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2025年12月2日
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